30代以上がハマる「男性用ニベア」の裏側 市場トップは意外にも資生堂ではなかった

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年間の売り上げ個数は定番の乳液「スキンコンディショナーバーム」(800円税抜、以下価格は全て編集部調べ)がトップだが、今特に好調なのが、ハリ・ツヤに悩む40代~50代向けの「AA」シリーズだ。

もともと金額ベースで首位だった旧シリーズを改良し、今回のリニューアル時に新発売した商品である。9月の発売から3カ月で、売り上げが1.5倍伸びた。また、購入者の約3割がスキンケア商品を初購入する男性だったという。

男性もハリ、小じわ、シミ・ソバカスに悩みがある

これまでもアンチエイジング成分として有名な「コエンザイムQ10」と、保湿成分「ヒアルロン酸」は入っていたが、今回は「ビタミンC誘導体」を追加し、シミ・ソバカス対策の機能もプラスした。ハリ、乾燥による小じわ、シミ・ソバカス対策。これだけの悩みに一度に応えるのは競合の中でも『AA』だけという。

コエンザイムQ10やヒアルロン酸、ビタミンC誘導体は、女性向け化粧品では鉄板ともいえる美肌成分。男性たちの認知度は低いと思っていたが、実は男性にもしっかり訴求できているということなのだろうか。であれば、興味深い。

「AA」を髭剃り後と風呂上りに数日間使用した夫いわく、「とにかく乾燥しなくなった! かといってベタッともしないし、いいかも」。

また、「AA」は、ローション(化粧水、1500円税抜)、バーム(乳液、1700円税抜)、クリーム(1800円税抜)の3種あるのだが、夫は、「クリームは使ったことがなかったけど、意外にいいかも。一番保湿力があってケアした気になる」と、ニヤリ。もしや、スキンケアの気持ちよさに開眼したか?

ちなみに、筆者は、もはや乾ききったおばちゃんなのか、保湿力がもの足りなかった。女性は男性とは皮脂量や水分量のバランスなどが違うので、この実感は当然かもしれないが、非常に残念だ。なぜなら、語られる効能に対して値段が手頃だし、どれも1個でケアが完結できるというので、夫と兼用しようと目論んでいただからだ。ただ、春夏のメイク前ケアによさそうな使用感なので、気温が高くなったら再びトライしたいと思っている。

ちょっと気になるのは、ローションやバームがドバッと出やすいこと。また、ビンのボトルも好みが分かれ、割れるのを嫌がる人もいる。グローバルで統一されたパッケージなので仕方ないとも思うが、ニーズに応じた改良があってもいいかもしれない。

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