香りの強い柔軟剤が人気、花王は高級品市場で勝負

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 今春は柔軟剤の“香り戦争”が過熱しそうだ。700億円程度で頭打ちだった柔軟剤市場だが、数年前に静電気防止など高機能をうたった商品が増えたのを機に活性化。最近は各社が香りで差別化した商品を続々と投入している。定番の草花系をはじめ“南国風”など工夫を凝らす。

その究極ともいえる新製品が、花王が3月末に投入する「ハミングフレア フレグランス・コレクション」。パッケージは高級感漂うスリムな透明ボトルで、従来の取っ手がついたどっしり型とは対照的。洋服ダンスから取り出したときも香るように、香りの持続性は洗濯後1週間と長いのが特徴だ。日本と欧州にある香料研究所が共同で“ヨーロッパ調”を調香するなど、とことん香りにこだわった。

「柔軟剤のコンセプトを根本から変えたい」(花王)と意気込むように、使い勝手を優先させた同社の従来品とは大きく趣向が異なる。購買層として狙うのはおしゃれ雑貨に興味のある主婦層で、気に入ったものへの投資を惜しまない傾向があるという。香りの強い高級柔軟剤はバラエティショップなどで販売される輸入品が中心だったが、花王はフレグランス・コレクションの投入で市場開拓をもくろむ。究極の香りにこだわった柔軟剤は、はたして女性のハートと財布を開けるか。

(倉沢美左 =週刊東洋経済)

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