今こそ必要な公共投資を、日本のインフラは劣悪--リチャード・カッツ

今こそ必要な公共投資を、日本のインフラは劣悪--リチャード・カッツ

日本では“無駄な公共事業”に対する評判があまりにも悪すぎて、公共事業の増加を提案するのは政治的に不可能なように見える。

2008年の日本の公共投資はGDP比でわずか3・5%と、戦後の平均値7・3%の半分にまで落ち込んだ。1955年以来で最も低い水準である。経済学者の吉川洋氏は「リセッションは3年続くと覚悟しておくべきだろう」と語っているが、日本経済の現状はそのとおりである。とすれば、日本は大規模な財政刺激策が必要となるだろう。それは的を射た支出でなければならない。

与謝野馨・財務・金融・経済財政担当相は第三次補正予算が必要と認めているが、同時に「(ケインズが主張したように)単に穴を掘って埋めるだけの支出をするわけにはいかない」とも述べている。もし同大臣が価値のある公共事業が存在しないと言っているのなら、それは間違いである。問題は、日本はあまりにも多くの資金を間違ったプロジェクトに使う一方、正しいプロジェクトに十分な資金を使ってこなかったことにある。

数年前、私は、ある雪の降った日に車で2車線の道路を名古屋に向かったことがある。途中で渋滞に遭遇した。長時間、ほとんど動くことができなかった。その後、渋滞の原因は嵐のため橋が一方通行になっていたためであることがわかった。橋を1車線しか使えず、もう片方の道は駐車した自動車でふさがれていた。私は、雇用を作り出すためにわざわざ川底を舗装するような国で、どうして道路を拡幅するという“必要な公共事業”ができないのだろうかといぶかった。同乗していた編集者が、地元選出の国会議員が自民党議員でないからだと説明してくれた。

日本には必要なプロジェクトがたくさんある。それは単に景気対策のためではなく、人々の生活を支えるインフラを長期的に改善するためのものである。

そうした公共事業を実現するには長い準備期間が必要で、短期的な景気刺激効果は期待できないが、その中にも長期低迷が予想される経済を支えるために使えるプロジェクトもある。

東京駅から1時間程度離れた駅の小高い丘の上にある、高度成長期に建設されたコミュニティを思い浮かべていただきたい。住宅は小さいだけでなく、多くの家庭ではプロパンガスと浄化槽を使っている。一方で、家の外には高級車が置いてあり、家の中はあらゆる種類の最新の家電製品であふれている。人々によい生活を送る資金的な余裕はあるのに、周辺の環境は昔のままである。

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