立山一郎・ニッセイ同和損害保険社長--トップラインが伸びない中、日生マーケットは成長の核

立山一郎・ニッセイ同和損害保険社長--トップラインが伸びない中、日生マーケットは成長の核

--3社の中でのニッセイ同和損害保険の位置づけは。

われわれは日本生命保険マーケットという、成長の核を持っていることが強みです。ただ、われわれニッセイ同和の人数が少ないので、現状では日生マーケットは10%程度しか開拓できていません。しかし、2社が合併すれば人が余るはずなので、その余った人を日生マーケットに投入すれば、日生マーケットはもっともっと伸ばせるはずです。

そもそも日生マーケットは不況とは関係ありません。ディーラーなどはクルマが売れなければ保険そのものも売れませんよね。一方、日本生命の営業職員に1人3件売ってくださいとお願いすれば、営業職員が5万人もいるので15万件の新規契約が取れるのです。これをサポート体制や教育を充実させて、1人5件取るようにお願いすれば、年25万件は取れることになります。

--ニッセイ同和の顧客にはどんなメリットがあるのでしょうか。

それは今の段階ではちょっと明確には……。ただ、商品の簡素化やシステム開発による利便性の向上、そういう面は進むでしょう。お客様の契約手続きも簡便になり、事故処理対応も充実するはずです。営業店も損害サービスの拠点も、今のニッセイ同和が持っている数のおそらく倍以上にはなるでしょう。すると身近なところに損害サービスの拠点が増えることになる。拠点が増えるということは、地元密着型になるということであり、代理店・お客様双方に喜んでもらえるはずです。

トップラインがなかなか伸びないという危機感の中で、各社の悩みがあります。3社の経営統合はいろんな課題を解決する、一つの武器になるという共通認識なのです。じっとしていたら料率競争の中で縮小均衡に陥ってしまいます。全体のパイがないのだから、どれだけ他社のシェアを取ってこられるかという世界です。国内マーケットの中の取り合いには負けません。

--昨年7月にお話を伺ったとき、合併などに力を入れていると競争に負けると話されていました。あれは、やはりポーズですか。

いや、あのときの本音でした。最初は業務提携くらいで行けないかと……。結果的に業務提携ではお互い本気になれないだろう、後で逃げたと言われるのも困る。各社、ノウハウを提供するのだから、経営統合というきちっとした形で提携するのが望ましいという話になったのです。

特に昨年下期からの業績の伸び鈍化に愕然としました。クルマが売れなくなったし、マンションも売れない。9月の最終段階になったらやらざるをえないねと。成長力や収益力を上げていくには、経営統合がベストということなんです。

僕らが危惧していたのは、こんなたいへんな時期に合併してどうするという声です。しかし、そういう声はまったく聞かれることもなく、社員も明るいビジョンに期待してくれているので、安心しています。

たてやま・いちろう
1967年東京大学法学部卒、旧同和火災海上入社。95年取締役就任、97年常務。01年の旧同和火災とニッセイ損保の合併に伴いニッセイ同和専務取締役に就任。2005年副社長を経て06年4月より現職。

(筑紫祐二 =週刊東洋経済、写真:田所千代美)

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