損害保険で業界メガ再編が一気に加速、各社を走らせた損保市場の危機


 損害保険業界で第2次再編が一気に進んだ。3月13日夕には業界3位の損害保険ジャパンと5位の日本興亜損害保険が、経営統合を正式に発表する予定。損保業界は3大グループに集約されることになる。

損保ジャパンと日本興亜を統合に駆り立てたのが、業界2位の三井住友海上グループホールディングス(MSI)、あいおい損害保険(業界4位)、ニッセイ同和損害保険(同6位)の3社の統合だ。3社は、この2月から2010年4月の経営統合を目指し、本格的な協議に入った。統合が実現すれば、一般の売上高に相当する正味収入保険料で見て国内最大手、世界の損保業界でも5位の巨大保険グループが誕生する。

損保業界で第1次再編が起きたのは00~02年。当時、主要15社ともいわれた損保は主要6社に収斂した。1996年以降に改正された保険業法以降、保険料率自由化、外資参入などに対抗すべく各社は合併によりシェアの拡大を図ってきた。それからほぼ10年。プレーヤーが絞り込まれた中、さらなる再編が加速しているのは、事業環境が厳しさを増しているからだ。

最大の変化は、損保各社の収入保険料のうち、5割前後を占める自動車保険だ。ここ数年、消費者のクルマ離れが進み、07年度には自動車保有台数が戦後初めて減少へと転じた。08年のガソリン高騰がそれに拍車をかける形となり、新車販売台数は28年ぶりの低水準を記録した。日本自動車工業会は、09年度も新車販売台数は500万台を割り込む見通しを出しており、市場回復は夢のまた夢。普通自動車から軽自動車へのシフト、無事故無違反が継続するにつれ保険料割引が進むことに伴う単価ダウンなど、損保各社の収入保険料は低減し続けている。

さらに自動車保険に次ぐ収入源の火災保険でも、新設住宅着工が90年代半ばをピークに下降トレンドを描いている。つまり、保険料減退の背景には景気の浮沈だけでなく、構造上の問題が横たわっているのだ。

ところが、96年以降保護行政の傘の下、市場の構造的な問題に目もくれず、損保各社は量(シェア)の拡大競争に走り、顧客対応を根幹で支える保険事務の整備を後回しにした。そのツケは保険金の不払い問題という形で浮上し、保険業界を大きく揺るがした。その結果、不払い問題対策として各社のシステム強化費用が急増。保険業界で効率化を示す指標である事業費率も上昇し、保険本業の儲けを示す保険引受利益は軒並み赤字に陥っている。

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