紙の時刻表と乗換アプリ、どう使い分ける? それぞれ「中の人」に長所・短所を聞いてみた

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前者はまさにその通りで、インターネット環境がない、あるいは携帯電話の電源が入らなくなってしまった場合は乗換案内アプリそのものを使うことができなくなる。後者については、A氏が時刻表の長所である「一覧性」に対する乗換案内アプリの短所と言える。

この「のぞみ号」の次の「のぞみ号」という縛りで調べようとした際に、「次の列車を調べる機能」を使っても、間に走っているひかり号やこだま号の案内がでてくることが往々にしてあり、なかなか次ののぞみ号までたどりつけなかったりする。

「最短経路」と「最適経路」の違い

では、紙の時刻表と乗換案内アプリをどう使い分けるのがよいのだろうか。簡単な比較ではあるが、「近場」と「遠出」で紙の時刻表、乗換案内アプリを使い分けるのがスマートであると思われる。「近場」が乗換案内アプリで、「遠出」が紙の時刻表である。

これについてK氏は「平日は乗換検索アプリ、土曜休日は紙の時刻表」と、A氏は「乗換検索が普段使い・現地、時刻表は旅程・行程の構想用」とそれぞれ表現している。全体感を求めるときは紙の時刻表、即時性が求められときは乗換案内アプリ、ともいえる。

詩人の金子みすゞ氏が「私と小鳥と鈴と」で「みんな違って みんないい」と表現していたように、紙の時刻表と乗換案内アプリにはそれぞれに良さがある。K氏がそれぞれの魅力を端的に述べていたので、それを紹介して今回は締めくくる。「乗換検索は最短経路を見つけられる、紙の時刻表は最適経路を見つけられる」。

 

蜂谷 あす美 旅の文筆家

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はちや あすみ / Asumi Hachiya

1988年、福井県生まれ。出版社勤務を経て現在に至る。エッセイやルポのほかトークイベントで活躍。2015年1月にJR全線完乗。神奈川県在住。http://hachiyasumi.hachiyasumi.com/

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