牛丼“低価格戦争”に終止符、食材価格の値上がりが直撃

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食材価格が上がったことで、2年間続いた牛丼“低価格戦争”は終わりを迎えている。「すき家」(ゼンショーHD)は前12年3月期に期間限定値下げを7回実施したが、今13年3月期は8月末時点で1回のみにとどまっている。「吉野家」(吉野家HD)は期間限定値引きを前期4回から今期はまだ1回、「松屋」(松屋フーズ)も前期7回に対して今期はまだ実施がない。

期間限定値下げに頼る販売策はカンフル剤のように、一時的な集客効果はあっても継続性に欠けると業界では見られてきた。事実、値引き販売をやめた3社の既存店売上高は慢性的に前期割れが続いている。「すき家」は海鮮中華丼や牛トロ丼など新商品の投入数を前期比2倍に増やし、売り上げ確保を急いでいるが、有効な手立てとはなっていないようだ。

はたして、牛丼3社は空前の成功に終わった値下げ戦略を脱し、新たな販売策を示せるのか。次の一手に注目が集まっている。

(松浦 大 撮影:今井康一 =東洋経済オンライン)

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