株式市場の分岐点は1月12日と3月11日だ 2016年の日経平均は1万8000~2万3000円

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後者の二段上げの強気パターンの場合、6月に付けた年初来高値(2万0952円)は早期に更新してくる可能性が高まりますが、高値更新後の上値があまり出ないパターンになるかもしれません。今年の高値付近で買った投資家のやれやれ売りをこなすために、短期的にエネルギーを使い果たしてしまうためです

一方、前者の二段下げの弱気パターンとなる場合、短期的には1万8000円前後まで下落余地が生じると思われます。下落幅が深まる分、調整期間も長引き、2月~4月頃まではもみ合い相場になることが予想されます。ただ、もみ合いはエネルギーを蓄積することになるため、先述した早期に6月高値を更新するパターンよりも、2016年を通じた高値は高くなるような気がします。「損して得取れ」といったところでしょうか。しかし、それには条件があります。2012年後半の安値を基点とした右肩上がりの長い下値支持線(アベノミクスライン)上を守っていることが条件となります。

2016年前半は米国株の上昇が鮮明になる

いずれにしても、2015年の相場で忘れてはいけないことは、2007年の高値(1万8300円処)のフシを上回り、長期波動では買いサインが点灯したこと。2015年は8月の急落を挟み、まさに相場格言でいう「未(ひつじ)辛抱」の年ではあったのですが、2007年高値付近をおおむね維持していれば、「申酉(さるとり)騒ぐ」の前兆が続いている、とみるべきだろうと考えています。

最後に2016年の日本株見通しについてお話したいと思います。日経平均の年間高値は2万3000円、安値は1万8000円、高値の時期は4月を想定しています。年前半は堅調な米国景気を背景に米国株の上昇が鮮明になるとみています。とにかく、ダウ平均を中心に米主要指数のチャートの形をみていると、大きく下げるようには思えない。むしろ、中国ショックによる一時的な値崩れによって、トレンドが強化された見方にベットしているところです。

日本株は円安が伴わない株高になるかもしれませが、海外からはミューチュアルファンドを通じた資金流入が予想されるほか、米国市場も個人の税金還付を通じた資金フローが市場の下値を支える季節的要因が挙げられます。原油市場が反発基調を強めれば、短期的にはポジティブな要因となります。

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