スギ薬局、狙うは日本一の「かかりつけ薬局」 杉浦広一会長が挑むドラッグストアの理想

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高浜店(愛知県高浜市)には、骨密度や血管年齢を計れる機器が並ぶ。結果を見て薬剤師がアドバイスする

――ただ、調剤に参入したくとも、薬剤師の採用難と高い人件費がボトルネックとなっている状況だ。

薬剤師の確保は当社でも課題の1つ。だが、スギ薬局に就職すれば、ほかのドラッグストアと比べても医療に深く携われるということは、薬剤師にとって魅力になる。ただ、薬剤師をかかりつけ薬局の担い手として、一人前にするには教育投資が必須。当社では、入社後3年間は、東京・大阪・名古屋の研修センターで勉強させている。

当社がこれほど人件費をかけても、業界3位の好採算を維持できるのは、粗利の低い食品の割合が13%程度と低いからだ。食品は来店頻度を上げると言うが、うちは食品にウェイトを置かなくても、かかりつけ薬局として頻繁に来店する固定客が多い。

薬剤師への投資を惜しまずに調剤売上高を伸ばす。2020年度には、総売上高で現在の1.3倍となる5000億円、調剤売上高では2倍の1500億円を達成するつもりだ。

印南 志帆 東洋経済 記者

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いんなみ しほ / Shiho Innami

早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者、東洋経済オンライン編集部、電機、ゲーム業界担当記者などを経て、現在は『週刊東洋経済』や東洋経済オンラインの編集を担当。過去に手がけた特集に「会社とジェンダー」「ソニー 掛け算の経営」「EV産業革命」などがある。保育・介護業界の担当記者。大学時代に日本古代史を研究していたことから歴史は大好物。1児の親。

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