流行の「国際教養系学部」は就職に強いのか 就職を意識した高校生のための進路相談<5>

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しかし、これより偏差値が下の大学で、留学や海外セミナーと言っても、学生がついていけるのでしょうか。私としては疑問です。こうした大学は詳細なデータを開示しておらず、学部運営がうまくいっていないことが予想されます。語学力の強化や留学のための事前学習が不十分な大学は避けた方がいいでしょう。

あなたが挙げた4校以外でお勧めする京都外国語大は、外国語教育の伝統校です。国際教養学科は2010年設立で卒業生も出ています。第2外国語は10言語、第3・4外国語は18言語から選択できます。こういうことは一般大学にはなかなかできないでしょう。

外大にはユニークな教育が多い

専攻学科にはメジャー言語のほかに、アラビア語、オランダ語、トルコ語、スワヒリ語などもあります。また、関西外国語大は中宮キャンパスにある外国語学部、英語キャリア学部もいいのですが、ここはあえてマイナーな英語国際学部をご紹介します。

立地は学研都市キャンパスで、交通の便はきわめて悪いところにあります。ただ、学部教育は面白く、英語と中国語の2本立て。2年次には1学期間の英語留学(原則全員)、それと1学期間の中国語留学(推奨)があります。

2018年には、中宮キャンパスに近い御殿山キャンパスに移籍する予定であるのもプラス材料でしょう。2016年に入学すれば立地がはるかに良くなるうえ(京都・大阪とも1時間圏内)、国際交流セミナーハウスが設立予定であるなど、さらなるグローバル化も進みます。そのほか、2016年新設の近畿大国際学部もいいのではないでしょうか。

石渡 嶺司 ライター・大学ジャーナリスト

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いしわたり れいじ

1975年札幌生まれ。東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。大学選び、就職活動をテーマにした執筆活動に定評がある。2008年から高校生向け進路ガイド『時間と学費をムダにしない大学選び』(中央公論新社、共著)を毎年刊行。
主な著書に『就活のコノヤロー』(光文社新書)、『就活のバカヤロー』『アホ大学のバカ学生』(光文社新書、共著)、『教員採用のカラクリ』(中公ラクレ、共著)など。2015年は『300円就活準備編』、『300円就活面接編』(角川書店オリジナル電子書籍)、『時間と学費をムダにしない大学選び2016』(中央公論新社、共著)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか」(朝日新書)を刊行。JCAST、毎日新聞大阪版、北海道新聞などで連載中。
 

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