【産業天気図・建設機械】ドル安が懸念材料だが、新興国のインフラ需要なお根強く「晴れ」

建設機械業界は2008年度も全般的には好調で好天が続きそうだ。サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題で米国市場が続落となりそうだが、欧州、中東に加えロシアなどBRICsを中心とした市場がカバー。全体ではプラス成長を維持しそうだ。世界的な資源高の趨勢も大きく変わることは予想しづらく、高単価の鉱山機械の需要も旺盛だ。
 08年度の天気見通しは、前回(07年12月時点)の「晴れ」と変更無し。米国経済の落ち込みによって、1)大幅なドル安(円高)による為替メリットの剥落、2)デカップリング論の後退で、一部過熱気味の新興国経済も連鎖的に影響を受け、結果として日本メーカーも受注減の影響を被るリスクが徐々に高まる、といった点が懸念材料として浮上しつつあるものの、依然として新興国の需要は根強いからだ。
 すでに、建機メーカーの業界団体である日本建設機械工業会は、1ドル100円を突破した3月14日に、07年度と08年度の建設機械出荷金額(国内生産分、補給部品除く)予想を発表。前者は2兆4024億円と(前年度比15%増)と、前回予想(07年8月時)2.2ポイント上方済み。後者の08年度予想も2兆6077億円と前年度比9%増と、やはり前回よりも1ポイント増やしている。
  海外が成長のドライバーとなっている建機各社にとって、北米市場がサブプライム問題の長期化で縮減するのは痛い。酒井重工業<6358>など中堅メーカーの一部には影響を受けるところも出てきている。だが、例えば最大手のコマツ<6301>にとっては織り込み済み。同社の07年9月中間期の主力の建設・鉱山機械部門を見ると、北米向けの売り上げは2ケタ減だが、全地域に占める割合は17.2%(前年同期23.9%)と減少、基盤を揺るがすほどではない。欧州やロシア、中国など他の地域の旺盛な需要で埋め、高成長を維持し強さが際だつ。
 それでも、為替は各社にとって頭痛のタネだ。今期は期中平均で1円円高で30億円の営業減益要因となるなど、08年度の収益に与える影響は小さくはない。ただ新興国では壊れにくく燃費も良い日本の建機は人気が高く、価格転嫁も先進国に比べむしろ容易。ドルの下落はあるが、製品の魅力そのものが落ちたわけではない。もし、需要が一時的に減ったとしても、新興国のインフラ需要は旺盛。長い目で見れば、各社の業績は増勢が続くだろう。
【福井 純記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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