中国市場減速を跳ね返し、成長するニッポンの建機

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縮小

13年度には復旧・復興関連に加え、消費増税や排ガス規制の強化を前にした駆け込み需要が後押しとなる。国内には当面、マイナス要素は見当たらない。

一方、建機業界最大の懸念は、11年春先から低迷を続ける中国市場の動向だ。欧米や東南アジアは、09年度を底に軒並み回復傾向を示している。破竹の勢いで伸びてきた中国だけが、10年度をピークに12年度まで2年連続の減少となる見通しだ。中国の回復時期については「わからないし、読めない」(竹内会長)というのが建機メーカー各社の正直なところ。ただ、竹内会長は「新政権が発足する12年度下期を転換点に、爆発的には行かないまでも、徐々に回復してくるのではないか」との見解を示した。

中国以外の海外については、欧州市場の先行き不透明感は拭えないものの、レンタルの在庫補充の動きが顕在化している北米や、インフラ投資が活発な新興国を中心に好調を維持する見通しだ。そのような背景があり、建機工は国内メーカーの12年度の建機輸出金額を1兆6006億円(前年度比6%増)、中国の復調を見込む13年度は1兆7488億円(同9%増)と予測している。

(長谷川 愛 =東洋経済オンライン)

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