松下幸之助が年の初めに必ず語っていたこと 元旦こそ、目標や夢を大いに語ろう

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「僕の夢は、一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学、高校と全国大会に出て、活躍しなければなりません。活躍するためには、練習が必要です。僕は3歳の時から練習を始めています。3歳から7歳までは、半年ぐらいやっていましたが、3年の時から今までは、365日中360日は激しい練習をやっています。

だから、1週間中で友達と遊べる時間は、5~6時間です。そんなに練習をやっているから、必ずプロ野球選手になれると思います。

そして、中学、高校と活躍して、高校を卒業してからプロに入団するつもりです。そして、その球団は、中日ドラゴンズか西武ライオンズです。(中略)とにかく、いちばんの大きな夢は、プロ野球の選手になることです」

夢の実現に努力を惜しまなかった

鈴木一朗選手が、世界のイチロー選手になったのは、目標を掲げ、夢を掲げて、ひたすらその目標、その夢の実現に努力を惜しまなかったからです。夢があり、目標があり、だからこそ、今、なにをすべきかがわかる。日々を夢や目標の実現のために厳しい、苦しい練習に打ち込むことができたのではないでしょうか。日々を充実して、やりがいを持ってて過ごすことができたのではないでしょうか。

ほかの友達が遊んでいても、鈴木一朗選手は、遊ぶこともなく、そしてそれを苦とも思わず、むしろ誇りをもって、練習に励んでいたのでしょう。いずれにしても、夢を持ち、目標を持ち、それを追いかけ追いかけ、日々いかに苦しくとも、厳しくとも努力を積み重ねていく。その過程に、自信と誇り、そしてまた、その誇りを踏み台にしながら、次のさらなる夢、あるいは目標に挑戦することができると思うのです。

今年を充実して過ごしたい、実のあるものにしたいと思うならば、1年の計は元旦にありという言葉通り、しばし、この1年の計を立てるひとときを持つべきではないかと、松下幸之助さんを思い出しつつ、考えています。

この1年の、皆さんの一層のご多幸、一層のご活躍を心から念じています。

江口 克彦 一般財団法人東アジア情勢研究会理事長、台北駐日経済文化代表処顧問

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えぐち かつひこ / Katsuhiko Eguchi

1940年名古屋市生まれ。愛知県立瑞陵高校、慶應義塾大学法学部政治学科卒。政治学士、経済博士(中央大学)。参議院議員、PHP総合研究所社長、松下電器産業株式会社理事、内閣官房道州制ビジョン懇談会座長など歴任。著書多数。故・松下幸之助氏の直弟子とも側近とも言われている。23年間、ほとんど毎日、毎晩、松下氏と語り合い、直接、指導を受けた松下幸之助思想の伝承者であり、継承者。松下氏の言葉を伝えるだけでなく、その心を伝える講演、著作は定評がある。現在も講演に執筆に精力的に活動。

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