就活に役立つ!「会社四季報」使いこなし術【第7回】--アナタの評価は投資家と同じ?時価総額で分かる会社の値段

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最新の「会社四季報2012年夏号」(12年3集)では、個別企業の【業種別時価総額順位】を掲載しています。それぞれの業種の中で、時価総額が何位にあるのかを示しています。すでに志望業界が定まっている就活生にとっては、自分が受けたいと思っている会社がいったいどの位置なのかを見てみるといいでしょう。

 

 

単純に資産や売り上げの規模が大きいという理由だけで、時価総額は決まりません。企業規模が小さくても、効率的に儲けている会社の時価総額が高かったり、将来的な成長が期待されて株式が買われていることは、よくあります。こうした現象はどの業界でも起こっているのです。

最新の「会社四季報2012年夏号」(12年3集)では、バブル経済絶頂期の1989年12月末から2012年3月末までに時価総額がどれぐらいになったかの「時価総額増大ランキング」も掲載しています。上位の顔ぶれは「失われた20年」ともいわれる経済低迷期に、成長を果たした企業がずらりと並んでいます。

同じ業界で時価総額の順位をみていくと、なんだかんだで投資家の見方にはそれなりの納得感があり、非常に参考になります。一方で、就活生にとっては、株式投資家の評価を絶対視するのも、また早合点かもしれません。あまり競争が激しくない分野で安定している会社や、従業員に給料をたくさん払っている代わりに業界他社に比べて利益率が高くなく、株式市場に評価されていないような企業もあるかもしれません。その会社は従業員にとっては、とても働きやすかったり、居心地がいい場合だってあるのです。

結局のところは自分自身が評価基準をどこに置くかだということを覚えておきましょう。次回は「この会社は誰のモノ?(仮称)」のタイトルで、株主の分析という視点からの会社選びのポイントを解説します。(毎週木曜日掲載予定です)

第1回>>読み方を知ればこわくない!
第2回>>情報の裏側を読み解け
第3回>>3つの数字で会社の大きさを測ろう
第4回>>志望企業は儲けている?
第5回>>業界・企業で給料はこんなに違う
第6回>>会社の健全性を見極めよ!

第8回>>会社は誰のもの?
第9回>>業界地図を活用しよう

就職四季報プラスワンは>>こちら

(武政 秀明 =東洋経済オンライン)

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