【産業天気図・百貨店】トレンド不在やオーバーストアで08年度も「曇り」が続く、高額商品販売低迷も痛手

百貨店業界は、2008年度も通期で「曇り」が続きそうだ。
 07年度は、多くの百貨店で好採算の衣料品の動きが悪く、苦戦を強いられた。主力の婦人服でファッショントレンドの変化が見られないうえ、業態を越えたオーバーストアが主な要因。この傾向は08年度も続くだろう。また、07年度後半から、サブプライム問題を発端とする経済の先行き不安から、これまで老舗百貨店の収益牽引役であった美術、宝飾、時計といった高額品も落ち込んだ。この傾向も当面は続くと見られており、厳しさは08年度も変わらないだろう。
 4月1日には、三越と伊勢丹の経営統合による新会社、三越伊勢丹ホールディングスが発足する。統合後はすぐに情報システムの統合に向けた取り組みが始められる。伊勢丹のシステム活用の仕方や業務フローを、三越にどこまで移植、浸透させられるかが統合効果のカギ。だが、07年度の業績は三越が大幅減益、伊勢丹は増収増益となる見込みで、今後の統合作業を進める両社員の意識の格差につながる可能性も否めない。統合効果の発現には時間がかかるかもしれない。
 一方、一足早く07年9月に統合し、J.フロントリテイリング<3086>を発足させた大丸と松坂屋では、着実に統合効果が現れている。大丸の低コスト運営が松坂屋にも浸透し始めており、衣料品不振で大丸がやや苦戦するなか、松坂屋が劇的な利益率の伸びを見せてカバーしている。課題は売り上げ拡大だが、冒頭の傾向が続くことからも、他社同様、簡単には伸ばせないだろう。
 統合の道を選ばず独自路線を貫く高島屋は、08年度から抜本的な営業改革に挑む。適正な人員配置を含む売り場体制の強化、商品力の強化、顧客政策の強化を掲げ、特別プロジェクトとして推進する構え。
 少子高齢化による市場縮小に加え、業態を越えたオーバーストアがさらに進む中、効率化を進めながら、いかに顧客のニーズをとらえた店づくりを進めるか。各社ともようやく本腰を入れて取り組み始めた。
【堀越 千代記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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