失敗しない就農ガイド、新規就農者の7割が農業だけでは生活できていない

皆さんは決してお客様ではありません。皆さん自身が望んで、ご自身の意思で来ていることをまずご確認ください──。

山梨県中央市でトマトなどの野菜を生産する農業生産法人・サラダボウル。農業を始めたいと思っている人の研修先として、人気を集める法人の一つだ。無料で随時受け付けている1週間程度の体験研修には、毎年100名以上が参加する。冒頭の言葉は、その体験研修者に最初に渡す説明文に書かれている。

「研修では特別なプログラムは用意していません。ほかの社員や研修生と同じ時間に起きて、同じ作業をしてもらいます」と語るのは、サラダボウルの田中進社長。田中氏は、旧三菱UFJ銀行を経てプルデンシャル生命に勤務した後、農業の世界に入った。自分も農業を一から勉強してきたこともあり、新規就農者の育成には熱心だ。

かつてサラダボウルでは、農業のよさを語り、さまざまな技術を実習するという型どおりの研修を行っていた。だが、入社した社員や経験者のその後を見ていくと、就農してから現実と理想とのギャップに耐えきれず農業界から去る人が少なくなかった。その結果、今の研修スタイルに変更した。

「ありのままの仕事をしてもらうことで、自分の持っていたイメージとリアルな農業生活とのギャップを埋める。そのうえで、就農するかどうかをもう一度考えてもらう」と田中氏は話す。これにより、研修経験者がサラダボウルに定着する率は格段に上がった。漠然と「農」にあこがれる気持ちと、それを仕事にすることには大きな隔たりがある。

6月23日、東京・池袋のサンシャインシティの一角には朝から長い行列ができていた。会場の入り口には「新・農業人フェア」の文字。農業を始めたい人を対象に開かれる合同の相談・説明会で、自治体の農業振興課や都道府県の就農相談センター、農業生産法人などのブースが連なる(上写真)。

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