プロ野球を2度クビになった男がつかんだ宝 細山田武史は、それでも腐らずにやり続ける

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ホークスに入団が決まる。ドラフト指名のときよりも、うれしかった。『プロ野球戦力外通告~クビを宣告された男たち~』は12月30日(水)夜10時からTBS系列で放送(フェイスブックページはこちら

「ホークスに入団が決まった時は、ドラフトで指名されるよりうれしかった。また野球ができる喜び、忘れないね。横浜で表現できなかった自分の野球を、今度は悔いなくやりたい」

入団が決まった直後、細山田は少しだけ興奮した声で私に語ってくれた。当時の様子はテレビ番組の密着取材により、これもまた話題を呼んだ。

「3軍」という貴重な経験

捕手として、野球選手として、もう一花咲かせる。そんな細山田の育成選手としての再挑戦の舞台は、主に3軍の試合だった。

「この3軍を経験できたことは、本当に貴重な経験になった。若い選手たちと一緒にバスに何時間も揺られながら試合をしに行くことや、なかなか勝てない中でもがく様子を見ていたら、俺自身も頑張ることができた。若いエネルギーの中にいることで、たくさんの学びがあって、腐ることもなかった。そのおかげで、支配下になれたんだと思う」

ホークス2年目の今年4月、細山田はついに支配下登録を果たす。戦力外通告、育成選手を経て、細山田は2年振りに一軍の舞台に立った。

「やっぱり、いいなって思ったよ。たくさんのお客さんがいて、ものすごい緊張感の中でプレーして、結果を出す喜び。チームを勝利に導くことへの喜び。本当に、ここで野球ができてよかったって心から思える」

久々の一軍の舞台は、細山田に忘れかけていたものを思い出させた。その活躍は、会長である王貞治の心をも動かし「一生懸命やったら、いいこともあるよね。頑張って野球をやってきてよかったじゃないか」と賞賛された。チームは記録的な強さで優勝し、細山田は初めて胴上げの輪の中に加わり、歓喜のビールかけも経験した。

「野球選手になって、優勝を経験せずに辞めていく人がほとんどの中で、経験できてよかった。3軍も優勝も、両方経験できるなんて、本当にラッキーだよね」

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