体育会の学生は本当に「就職に有利」なのか 部活に忙しい学生を支援するサービスも活況

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また、ラクロス・野球・サッカー・アメフト・ラグビーについては、競技別の就活セミナーも行っている。同社は他の人材紹介企業とも提携し、各社が紹介する中からも体育会学生向けの求人を紹介している。

ここに挙げた各社のサービスは、学生の利用はいずれも無料。体育会学生限定の求人の紹介や、就活相談を受け付けている点はほぼ共通しているが、それぞれに強みや特徴がある。これらのほかにも、体育会学生向けの就職サイトやサービスは各種存在する。

体育会学生は採用担当者が推薦しやすい

「体育会学生は就職に強い」というイメージは根強いが、では実際に企業から見た体育会学生の「強み」は何だろうか。一般的なイメージでは、学生時代から先輩やOBとの関係を通じて多様な人との関わりや、「負ける」経験による挫折からの回復の早さ、粘り強さなどが挙げられる。

実際にこれらの点は「違う価値観の人とどう付き合うかなど、学生時代から社会の疑似体験をしている」(アスリートプランニングの日名子さん)などとして評価されているという。また、企業の採用担当者の視点では「スポーツに関する自己PRは内容がわかりやすく、採用担当者が上司に推薦しやすい面もある」(同)という。

大学時代は野球部に所属していたというスポーツフィールドの岡村芳明課長は「スポーツは必ず勝てるとは限らないが、勝つ確率を上げるために日々練習するのが当たり前。ビジネスの世界も答えはなく、日々試行錯誤の連続。部活で当然のようにやっていることが、社会に出てからの力になる」と、自らの体験をもとに語る。

2017年卒は選考開始時期が再び変更されて6月となるため、これまでに就職活動をした先輩の体験談などが必ずしも当てはまらない。活動時間の限られる中、各種サービスは体育会学生にとってますます重要なものになるだろう。
 

小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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