体育会の学生は本当に「就職に有利」なのか 部活に忙しい学生を支援するサービスも活況

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一般的に、就職活動に関しては、掲載された情報から自分で企業を探して応募するタイプの就職サイトと、担当者との面談などを通じて適した求人を紹介するエージェントのタイプがある。

体育会学生向けの場合は「エージェント」と銘打っていない場合でも、スタッフによる支援や相談など、個別サポートを前面に打ち出したサービスが目立つのが特徴といえる。いくつかのサービスを例に見てみよう。

登録者は1万5000~2万人

体育会学生の就職支援では十数年の実績を持つアスリートプランニング(東京)が運営するのが、体育会学生向けの就職サイト「アスリート就職ナビ」だ。同社によると体育会の学生は大学生全体の8%で、新卒採用の対象者数としては毎年4万人程度となるが、「そのうちの1万5000~2万人に登録いただいている」(同社HR事業本部の日名子裕子さん)という。

紹介している企業は年間で600社ほど。体育会学生を求める企業の情報をweb上で提供しているのはもちろんだが、そのほかに「アスリート就職セミナー」という体育会限定の合同企業説明会や、同社スタッフを講師として自己分析や自己PRについて指導する講座なども無料で開催している。

最近は体育会学生を一定数採用したいという企業も多く、限定の特別枠を持っていることがある。登録学生は特別枠用の説明会の情報なども得ることができる。

「直接対面して学生との信頼関係を築く」ことを重視しているのが、スポーツフィールド(東京)が運営する「スポナビ」だ。学生が登録すると、同社の担当者が大学の部室や寮、あるいはグランドなどに出向き、直接会って面談する。

その後も日常的に電話やメール、LINEなどで連絡を取り合いながら、学生に合った企業の紹介などを行う。地方在住の学生に対しても、年に数回は担当者が全国各地を回って対面するという。

対応するスタッフは全員体育会出身者で、学生からの相談を受けるほか、試合などと面接の日程が重なった場合、企業側にスケジュールの変更を依頼するなどの調整も行う。スタッフが試合の応援に行ったり、就職活動が終わった後もスタッフと学生の交流が続いたりすることも多いといい、密接な交流が特徴だ。

同社では「スポナビ」とともに「スポナビエージェント」というエージェントサービスも行っているが「学生に対して提供しているサービスの内容はほぼ同じ」(同社の加地正専務取締役)といい、サイト上だけで完結せず、対面でのやりとりに重きを置いている。

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