「シングルマザーが集う家」に行ってみた 子育てを「シェア」するという試み

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「夜に子供を寝かせてから、1階リビングに来ると人がいて、お酒に誘われて、ちょっと飲んだりすることもあります。仕事や年代もさまざまな人と知り合って話せますし。あとリビングにいれば、もし子どもが泣いても声が聞こえるんですよ。だから子供を寝かせておいても心配ないんです」

共有スペースで夜、くつろいでいるのは女性が多いらしい。吉岡さんは、女性同士で愚痴を少し言うだけでもすっとする、明日に向けて切り替えられると言う。

心のゆとりで、子どもに優しくできる

管理者として常時、住民とコミュニケーションを取る露木氏は説明する。

「女性だけでなく男性もいるのが、結果的には良いと思うんです。それである種の秩序ができるような……。例えば女性だけだと、風呂上がりにリビングで、バスタオル1枚でくつろぐ人が出るのではといったことも考えます」

「私はあんまり、気にしないで楽に暮らすようにしてますよ。共用部には当然男性もいますから、朝すっぴんで会うこともありますし。『おはようございます』って挨拶したら、相手がびっくりしてましたよ」

吉岡さんは笑って言う。

こういったシェアハウスでの暮らしには、ある程度の常識と、細かいことを気にしすぎず、楽にする意識の両方が大事なのかもしれない。明るい吉岡さんを見て、そんなことを思った。

「ここに来て思いましたが、自分の心にゆとりと余裕ができると、子どもにも優しくできるんですよね」と、吉岡さんは言う。

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