【産業天気図・通信業】携帯電話は三つどもえの戦い続く。次世代高速無線の免許割り当て、NTTの光接続料改定も焦点に

通信業界の天気は、07年度後半、08年度を通じて「曇り」空が続きそうだ。
 NTTドコモ<9437>、KDDI<9433>、ソフトバンク<9984>の大手3社の三つどもえの競争が続く携帯電話は、KDDIとソフトバンクは加入者数の増加もあり07年度上期は好調な決算だったが、加入者純増数で独り負けが続いたNTTドコモは減収減益、08年3月期通期では年金代行返上益があるので減益回避、という状況だ。
 加入者数が1億人に迫る携帯市場は、成長期から成熟期に突入している。最大手のNTTドコモが11月末から販売モデルを見直し新料金プランを導入したのも、転換期を迎えた業界の現状を象徴している。これまでの販売モデル最大の特徴であり値下げの原資でもあった代理店への販売奨励金をやめることが大きなポイントだが、端末価格と通信料の分離、割賦販売の導入、2年契約を1つのモデルとすることも新料金プランの特徴だ。販売動向への影響を注視する必要があるが、中長期でみると端末メーカー、販売代理店を含めた業界全体に大きなインパクトを与えることは確実だ。
 キャリアの3社にしてみても、割賦販売による短期解約の抑制、販売経費の抑制といったプラス面もあるかもしれないが、1契約当たり収入(ARPU)の下降トレンドは続いている。売上げ増を維持するためには、加入者数を増やすか、新しい付加価値サービスを強化するかの施策がますます必要となる。
 今後は、2大需要期である12月の年末商戦、3月商戦での新製品動向が注目される。独り負けが続いたNTTドコモだが、ようやく反撃開始とばかりに年末商戦は?首都圏中心に好調な動きをみせている。有望市場とされる法人市場は、内部統制や個人情報保護法対応から需要が伸びており、ここでの開拓も重要になる。来09年3月期の業績は、これまで以上に総合力勝負ということになりそうだ。
 一方、固定通信では、NTT<9432>が2010年の光ファイバー加入者目標数を3000万から2000万に下方修正したことが話題となったが、今ホットな話題はNTTの光ファイバー接続料の改定だ。年内にもNTTが申請し、年明けに08年度以降の改定料金が決まる算段となっている。接続ルールをめぐる関係者の対立も続いており、光論争は熱くなること必至だ。
 無線でも、次世代高速無線通信(WiMAX)の免許割り当て先が現時点(12月央)ではまだ確定していない。年内に割り当てをするとの総務省方針に変更はない模様だが、どの陣営に割り当てられるのか、どのようなサービスが生まれてくるのか、こちらも目が離せない展開が続きそうだ。
【高橋 志津子記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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