男の「自称デキる」と「真のデキる」はどう違う 1年の振り返りトークで将来性までわかる

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グローバルな失敗学の多くは、「学び」をテーマにしています。学びに必要な失敗の経験という観点で研究されています。学習理論では学びのプロセスについて数多く研究されていますが、学びのプロセスには大きく分けると2種類あります。

2種類ある、学びのプロセス

1つ目は、成功のために正解を求めて失敗は避ける。その繰り返しで成功を「再生産」する成功学習プロセスです。テストみたいに決まったコトの正答率をアゲるには効果が高いので、学校の教育ではこちらが多いと思います。自称デキる人もこちらのタイプが多いようです。

ただし学びの効果は薄いです。成功の再生産は自信がつくかもしれませんが、気づきや学びが無いので新しい変化を起こすことができません。ちょっと退屈な学びのプロセスと言えます。

2つ目は、失敗が折り込まれた、試行錯誤のループを回す学び方です。

1. まず前提や常識、成功体験を疑う
2. そして「こうなんじゃないかな?」という仮説を立てる
3. 仮説を実際に検証してみる
4. 出てきた結果(失敗が多い)から気づきを得る

 

そして1に戻る……というループ型プロセスです。結果が成功しても、しばらくしたらその成功体験を疑って新しいやり方を考えます。前提を疑って試行錯誤する、わくわく感が持続するプロセスと言えます。

失敗は勇気の必要な挑戦ではなく、試行錯誤で学ぶ1ステップである。そんな肩の力の抜けた学びのプロセスができるかどうかが、結果的に新しいことへのチャレンジと成長につながるのかもしれません。

1年の振り返りトークで、何を語るか。そこから見えるのは、実は未来。未来に向けて何を大事にしているかだと思います。今年ももうすぐ終わりますが、5分ほど時間があったら、ぜひほろ苦い経験から自分がどう変わったか、思い返していただけると嬉しいです。

夢を達成するとき大切なのは何を手に入れるかではなく、その過程でどのような人間になったかということだ           ~ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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