難関に受かる生徒の素質は、この4問で見える 「問題の核心を突く力」、家庭で養う方法は?

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では、どうしたらこういう問いに即座に反応する子が育つのだろうか。なかなか難しい課題だが、ポイントは以下の3つであると思われる。

①日々、物事をよく観察する目を鍛えさせること

②危険な事柄はともかく、子どもの行動にあまり制限を設けないこと

③子どもの質問に、時間がかかってもいいので答えること

「丸暗記しちゃいなさい」は御法度

以前、親を取材していてこんな話を聞いたことがある。家にいて子どもの質問に答えることの多い母親の場合、子どもが抱いた算数や理科の素朴な質問に、「理由なんて考えなくていいから、もう覚えてしまいなさい!」「そんな難しい質問には答えられないから、暗記してしまいなさい!」と答えてしまうことが多い、というのである。

また、「うちは文系の家系だからねえ」と、どうしようもない遺伝の話をしてしまう母親もいる。最近の学習内容は難化傾向にあり、対象が小学生でも親の手に負えない内容が多いから、無理もない話ではある。

ただ、これでは子どもの思考の芽は摘まれてしまうことを申し上げておきたい。親にとってそれが難しい質問でも、時間をかけて調べ、答えるようにしてほしい。それだけでも、子どものその後の能力形成に大きく貢献するのではないだろうか。

このほかにも、医学部入試に関する情報を小林公夫オフィシャルサイトにて紹介しております。ぜひ、併せてご覧ください。

 

小林 公夫 一橋大学博士、作家

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こばやし きみお / Kimio Kobayashi

専門は医学と法、生命倫理学。現在は生殖医療や実験的治療行為など先端医療の研究に従事している。研究の傍ら、医学部受験生の指導にあたり、医学部受験予備校インテグラ、医学部&東大専門塾クエストで、医学概論、医学部生物学、医学部小論文・面接などを指導。著書多数。代表作にシリーズ累計21万部突破の『「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法』『新「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる法』「オトバンクFeBe版勉強しろと言わずに子供を勉強させる法」(PHP研究所)、『わが子を医学部に入れる』(祥伝社新書)などがある。『医学部の面接 [3訂版](赤本メディカルシリーズ)』、『医学部の実践小論文 [改訂版](赤本メディカルシリーズ)』(教学社)は医学部受験生のバイブル。医学部入試に関する情報はオフィシャルサイトにも掲載している。

 

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