東急、エリア最大商業ビルで銀座バトル参戦 投資額1800億円、「東急プラザ銀座」開業へ

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問題は立地だ。銀座の賃料は立地格差が激しく、1階で立地がよければ坪当たり20万円を超えることもある。最も高い賃料が取れるのは、銀座4丁目交差点を中心に南北に延びる銀座中央通りと、西に伸びる晴海通りの数寄屋橋交差点までとなる。

松坂屋跡地はこの銀座中央通りに面しており、押しも押されもせぬ一等地。休日の1日当たり通行者数は2.2万人にのぼる(2015年8月、市場調査会社フェイス・コム調べ)。

他方、東急プラザ銀座は、晴海通りに面するものの、数寄屋橋交差点を渡った一角に位置し、最高賃料エリアからは一歩外れている。休日通行者数は1.4万人(同)だ。

銀座と日比谷の「結節点」に位置する

発光しているのが東急プラザ銀座の模型。銀座4丁目交差点から、数寄屋橋交差点、日比谷方面を望む(撮影:尾形文繁)

しかし、東急不動産は数寄屋橋交差点のポテンシャルに懸けている。見込んでいるのは人の流れの変化だ。「銀座のど真ん中ではないが、銀座の西の玄関口として人を呼びこむことを意識している」(東急不動産)。

実際、JR有楽町駅を利用し、数寄屋橋交差店を通過して銀座に向かう人の流れは大きい。年末のこの時期、交差点の反対側は、宝くじを買い求める客でごった返していた。ここを通過する人を呼び込むことができれば、客は大幅に増加する。

また、数寄屋橋交差点から銀座と反対方向に歩けば、旧ニュートーキヨー数奇屋橋本店跡地の再開発や、三井不動産の日比谷再開発が進んでおり、2018年には完成する予定。東宝グループが全3000席のシネマコンプレックスを計画するなど、エンターテインメントに特化した街づくりが進んでいる。東急プラザ銀座はこうした東西方向の人の流れの結節点にあたる。

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