東急、エリア最大商業ビルで銀座バトル参戦 投資額1800億円、「東急プラザ銀座」開業へ

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完成模型図。総ガラス張りの外観は江戸切子をイメージ(撮影:尾形文繁)

8~9階には都内最大となる市中空港型免税店「ロッテ免税店銀座」が出店する。市中空港型とは、消費税に加え、関税、酒税、たばこ税も免税となり、購入した商品は空港で受け取る方式となる。訪日外国人だけでなく、海外に出かける日本人も利用できる。

訪日客向けのビルというイメージが定着するのを嫌ってか、「東急プラザ銀座はインバウンドに特化した施設ではない」(東急不動産の岡田正志常務執行役員)と強調する。とはいえ、全館インバウンド対応型というのがこのビルのいちばんの特徴だ。たとえば、東急百貨店では、免税対応のほか、レジを全面刷新して「完全面前決済」を実現する。クレジットカード決済を裏方で行う日本流のやり方を、すべて客の目の前で行う海外流に改めるという。

7階には東急ハンズの新業態店舗が入居する。東急ハンズはインバウンド需要を取り込んで、既存店売上高が今年度上期に7年ぶりに上向いた。刃物やデザイン性の高い雑貨がよく売れるという。外国人には東急ハンズの業態そのものが新鮮で日本的と映るようだ。

テナントの賃料は「相場並み」

銀座エリアの1階の賃料は、2015年上半期に1坪当たり6万3900円となった(日本不動産研究所、ビーエーシー・アーバンプロジェクト調べ)。前年同期比30%もの大幅上昇で、追い上げる表参道エリアを引き離し全国1位を守っている。

「相場並み」(東急不動産)という東急プラザ銀座のテナント出店料は、固定賃料と売上連動の歩合賃料の併用だが、これまでの同社の商業施設と比べて歩合の割合を高めている。テナント入れ替えは積極的に行っていく方針だ。

東急プラザ銀座には「非常に意識している」(岡田常務)というライバルが存在する。銀座6丁目の松坂屋銀座店跡地に、森ビル、J.フロントリテイリングなどが2017年に開業する大型複合施設だ。商業ブースは約4.6万平方メートルで、規模面では東急プラザとほぼ肩を並べる。

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