5年越しの三角関係に終止符。ヤマダ電機がビックカメラからベスト電器を奪取

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ベストは今回の増資で得た121億円で既存店改装や不採算店閉鎖を進め、経営改善を目指す。しかし、九州エリアでもヤマダのシェアは高く、ベストとの競合店は数多い。効率経営に定評のあるヤマダの売上高経常利益率が直近で5%を超えているのに対し、ベストは1%にも満たない。ベストは上場を維持して独立性を維持する方針だが、経営改革が遅れたら格差解消に向けて“ヤマダ色”に染められる日も遠くないかもしれない。

「売上高を増やす以上に、シェア拡大の意味が大きい」と会見で語った山田会長の言葉どおり、今回の買収は業界にも波紋を広げそうだ。エディオンやケーズホールディングスといった、ライバルたちの成長戦略にも大きく影響を及ぼす可能性がある。家電量販店業界の再編は待ったなしだ。


ベスト電器の小野浩司社長は数人の取材に応じた後、福岡行きの飛行機に乗るため、足早に会場を去った

(前田佳子 撮影:吉野純治 =東洋経済オンライン)

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