22ものSNSを使いこなしO2Oを展開するローソン、成功の秘訣(前編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

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「広告・宣伝部は、もともと来店促進、購買促進というミッションを背負っている部署。新浪からのトップダウンでソーシャルメディアを使ったO2Oが課題に加わった」と白井氏は、当時を振り返る。

それから約2年3カ月という短期間で、22媒体に活用範囲を拡大した。ローソンのソーシャルメディア戦略を語るときに白井氏を抜きには語れない。

ローソンでは、ソーシャルメディアを活用する際、広告販促企画部を中心に部署横断で取り組む。関連会議には、12部署のWEB担当者が参加する。

「営業計画上の企画も、ソーシャルメディアの展開に合わせていく方向だ。12部署で各責任者を立て、全部署本気で取り組まないといけないという雰囲気を出している。各社員もFacebookやTwitterの使用が推奨されている。IT部門も非常に積極的に協力してくれる。ITと企画のメンバーが改善案などを話し合う会議が毎週水曜日にある。IT上層部の協力があり、企画側の要望に柔軟に応えてくれる」と白井氏は、ソーシャルメディアの取り組みへの全社的な本気度を語る。

ソーシャルメディアを活用したO2O施策の成功の秘訣は、新浪氏をはじめ経営層の理解があり各部署が本気で取り組んでいる点と、IT部門の協力体制が整っているところが大きい。

加えて、顧客の心をつかむ仕組みにも、他社にはないアイデアが濃縮されている。

ローソンでは、「あきこちゃん」という架空のキャラクターが、各ソーシャルメディア上で顧客とコミュニケーションを取る。

「通常の発想だとローソンのミルク缶のロゴなどを使うと思うが、ソーシャルメディアはさまざまな人が見る。企業ロゴだと目に留まりにくい。何らかの“人”のキャラクターを作るべきだと提案した。他の企業のキャラクターとのコラボもしやすい」と白井氏は「あきこちゃん」誕生のきっかけを語る。

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