大型2輪“3兄弟”が人気、低価格・低燃費で低迷市場に活

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大型2輪“3兄弟”が人気、低価格・低燃費で低迷市場に活

低迷が続く大型2輪車に、久々のヒット商品が生まれている。2月にホンダが発売を開始した、排気量700ccの「ニューミッドコンセプト」シリーズだ。大型2輪車は「年間4000台売れれば大ヒット」といわれるが、同シリーズの出荷台数は発売後4カ月でその水準に達した。

理由の1つは価格の安さ。新開発のエンジンを搭載しながら、最廉価モデルで59万8500円からと、400ccクラスの価格を実現した。ポイントは4輪車ばりの「プラットホーム戦略」だ。同シリーズは同じエンジン、フレーム、ホイールを使い、3つの異なる機種を展開する。多様な顧客ニーズに対応するとともに、量をまとめてコストを下げる。熊本製作所(熊本県菊池郡)で生産するが、海外部品比率を4割まで高め、グローバルで展開する。

40キロメートル/リットルに達する燃費など、実用性の高さも売りだ。車体を軽くし、シート下にフルフェースのヘルメットを収納できるスペースを確保した。その結果廉価モデルの購入客のうち、18%が初めて大型2輪車に乗る人たちだった。

「2輪市場は今が底。積極的に商品を投入し需要喚起したい」(国内販売を統括するホンダモーターサイクルジャパンの井内正晴社長)。新商品が大型2輪車復権の契機となるか。

ホンダの業績予想、会社概要はこちら

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(本誌:並木厚憲 =週刊東洋経済2012年7月7日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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