法務省の委託企業が給料未払いで業務継続を断念

同省の責任論浮上も

法務省の委託先企業が給料を払わぬまま業務継続を断念、同省の責任論浮上も

全国各地の法務局で登記簿などの公開事務(乙号事務)を請け負っている企業2社が給料の一部を払えなくなったことなどを理由に業務継続を断念したことが6月30日、わかった。法務省は2社に対する全業務の停止を7月2日付けで命令する。内閣府の官民競争入札等監理委員会の承認を得て、法務省は7月中にも両社との契約を解除する。

 2社で働いていた職員は7月2日から8月3日までの間、法務省の非常勤職員として勤務を続けるものの、契約解除後に新たに業務の入札が行われることから再び身分は宙に浮いた状態になる。

給与遅配および全業務停止が判明したのは「アイエーカンパニー」および「ATG Company」(本社はともに東京・世田谷区)。両社の社長を務める大屋武志氏が東洋経済記者に、法務省から全業務の停止を命じる書面を受け取った事実を明らかにした。

両社のホームページによれば、勤務する社員は計1585人にのぼる。その大半が全国各地の法務局で勤務しているほか、入国管理局(東京、大阪、横浜)でも50~60人の社員が業務に従事している。

東洋経済記者の取材に応じた社員によれば、「5月分の給与の一部が払い込まれないことを会社の上司から6月28日に伝えられた後、翌29日午前中に勤務先である法務局の支局長から呼び出されたうえで7月2日から法務局雇用の臨時職員として働いてほしいと言われた」という。この社員は「5月分の給料のうち給与明細よりも実際の支払額が2割または2割以上も少ない人が多いと上司から聞いた」という。

 7月末に支払われる予定の6月分の給料についても大屋社長は「私自身もどうなるかさっぱり分からない。財務についてはあずかり知らない」と東洋経済記者に話している。

大屋社長自身も「3月末に退職願を(両社の大株主である)オーナーに提出している」というが、「後任が見つからない」という理由でたなざらしにされたままだという。

 大屋社長によれば、「財務はオーナーが一手に握っている。私自身は一円も動かしていない」といい、「自分自身も(権限を渡されないまま事業が行き詰まったことについては)冗談じゃないという気持ちだ」などと語る。「オーナー」とされる人物は会社の役職には就いていないという。

 

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