「指示しなくても動く部下」は、こう育てる リーダーが知っておきたい4つのポイント

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このような自律的なメンバーを適切に育てるためのポイントを、4つに分けて解説していきます。

メンバーを育てる4つのポイント

1.心の裏に潜む自分の「裏の目標」を認識して制御する

「メンバーにどんどん任せられるようなリーダーになりたい」と言いながら、細かく口出しをしたり、部下の仕事を自分でやってしまうなど、反対の行動をしてしまう人がいます。特に、自分の心理的なことが要因で任せられないというような「裏の目標」がある場合、注意が必要です。

たとえば、「自分の評価を下げたくない、だから怖くて部下に任せられない」「チームのことはすべて知っていて、指示が出せる万能な自分でありたい」「担当している仕事に愛着がありすぎて、ほかの人に渡したくない」「仕事のやり方やノウハウを教えることで、メンバーに抜かれたくない」などと、心のどこかで思ってしまっていることがあります。

これまで責任感と想いを持ちながらプレイヤーとして結果を出してきたのですから、このような気持ちになるのはわかりますが、この裏の目標こそが、部下の成長を止めてしまうのです。

2.相手が何に動機づけられるかを理解する

リーダーになりたての頃は、とにかく自分の想いや情熱を熱心に伝え、押し付けがちになります。その想いはメンバーが共感するものなのか、一度立ち止まって考えてみましょう。

人が成長するときにいちばん大事なことは、本人が「頑張りたい」と思うことです。だからこそ、メンバーが何を大切にしているのか、どういうキャリアを歩みたいのかなど、メンバーの価値観、動機を理解する必要があります。

たとえば、人との一体感や共感を大事にする人もいれば、新しいものを生み出すことにやりがいを感じる人もいます。手に職を持つような専門能力にこだわる人もいるでしょう。人の成長を支援することが好きな人もいます。価値観とは、その人がワクワクする源、大切だと感じる根幹、やりがい、喜び、充実を感じるものです。

相手の価値観がわかれば、任せる仕事の内容や任せ方、伝え方などを調整することができます。人を育てることができるリーダーは、相手のどのツボを押してあげれば頑張ることができるのかを、よく理解しています。

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