「日本人」を武器にできない海外転職は厳しい 海外に行けば何かがあるわけではない

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さて、そう考えると、やはり出戻り十四郎さんとして、どういったスキルや経験をベースに、どのような形で今後、食べていくか、または食べていくことができるかを考えることが先決です。

その結果として外資系企業で勤務する、海外で働くなどがあればいいのですが、「何をするか」「何をすべきか」「何ができるか」の前に、働くハコとしての場所を決めるというほどナンセンスなことはありません。

永遠の自分探しになりかねない

学生さんでたまにいる「何かはわからないけど、何かをして成功してみせる」という人ほど成功しないまま、永遠の自分探しをするものです。

そのような状況に、すでに社会人経験のある出戻り十四郎さんがなってしまってはいけません。海外で技術職として働けるほど実力のある方でしたら、なおさらそんなことになってはもったいないです。

海外に行けば何かがあるのではなく、できることがあるから海外に行くのです。着実に足元を固めて、そのうえで自分自身の海外進出をいかに果たすかを考えるべきです。

あこがれをあこがれのままで終わらせるのはもったいないですから、具体的な自分ならではの付加価値を考え、今後、進むべき方向性を検討してみてください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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