「日本人」を武器にできない海外転職は厳しい 海外に行けば何かがあるわけではない

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そもそも論を言うと、海外で働く、外資系で働く、と言いますが、出戻り十四郎さんとしてそこで「何ができるのか」、つまりどんな付加価値を提供できるのか、という問題があります。端的に言うと”Why should we hire you?”と聞かれた際に、何と言えるかで勝負は決まるのです。

年齢はわかりませんが、出戻り十四郎さんにとっての現在の手持ちの武器は(内容は不明なものの)技術者としての経験とスキル、そして海外勤務をずっとされていたとのことですから、おそらく語学力なのでしょう。そう考えると、その双方を生かしたキャリア発展をまずは考えるべきです。

「生かしつつ」がポイントですので、まったく同じ内容の技術系の職種でなくとも、たとえば技術者として設計や製造に携わった経験、そしてその中で身に付けた効率性の追求や論理的な思考をベースに経験を横展開して、新たなことに挑戦するということでもいいのです。

現実的な選択肢は何なのか

いずれにしても、ご自身の経験とスキルから現実的な選択肢は何なのか、そして将来やりたいことに向けてキャリアをいちばん発展させられる選択肢は何か、という視点で考えるべきです。

ちなみに海外で働くという前提であれば、語学力はあって当たり前ですので、出戻り十四郎さんにとってのアドバンテージにはなりえません。

ただし採用の入り口段階では、日本企業であれば語学力が評価されるケースもあります。当該企業が海外進出を狙っている、または強化を図っているという状況などです。

それよりも採用する側の視点で考えると、語学以外のスキルで出戻り十四郎さんは何ができるのか、どんな付加価値を会社に提供してくれるのか、となるわけです。そしてそのレベル感は候補者の年齢により上下します。

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