エイチームの“百年戦略” スマホアプリで成長加速

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名古屋の次は大阪へ 梅田阪急ビルに開発拠点

多数のサービスを展開できた理由は、06年から一気に進めた中途採用で有能な開発者を確保できたからだ。名古屋の大学を出て東京の大手ソフトメーカーなどで働いていた名古屋出身者が「Uターン」する場合の受け皿になれたのだ。「もし東京であれば、数多くあるアプリベンダーの一つとして埋もれてしまったと思う」(林社長)。

が、まだ人手が足りない。複数の大型ゲームを同時に開発するために、来年中にゲーム開発者を倍増の200人にすることが目標だ。4月に13名、5月に10名、6月に5名の社員・アルバイトを採用したが、さらにペースアップが必要。そこで開始したのが、冒頭の「水9プロジェクト」というわけだ。

 名古屋だけでは限界がある。そこで7月31日付で大阪の一等地・梅田阪急ビルオフィスタワー26階に100坪ほどの開発拠点を開設。ここでも経験者を採用していく。東京はあえて避け、地方にいる有力な人材を確保するもくろみだ。

エンタメ、ライフサポート以外の新事業の構想も温めているという。「100年続くためにはつねに新規事業に挑戦することが重要。現状で立ち止まらずにつねに果敢に挑戦する社風を育てたい」(林社長)。現在のヒット作連発と高成長も、まだまだ序章にすぎないようだ。(週刊東洋経済2012年6月30日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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