事後レポ

インダストリー4.0時代 流通業の経営革命

バリューチェーンの仕組みが変わる時、流通業がなすべき経営改革とは?

ドイツから始まった「インダストリー4.0」は、第4次産業革命を引き起こすと言われる。しかも、新しいテクノロジーを軸にしたこの変革は、製造業に限らず流通業にも大きな影響を与える可能性が高い。流通業はこの変革にどう備えたらいいのか。クラウドERP(クラウド型統合基幹業務システム)の観点から流通業の今後の経営改革について検証するフォーラム「インダストリー4.0時代 流通業の経営革命」が11月17日、東京で開催された。

共催:ネットスイート、東洋経済新報社

特別講演
「インダストリー4.0:ドイツ国策からひも解く、
企業成長のためにすべきこと」

ベッコフオートメーション代表取締役社長
川野俊充

フォーラムは、まずベッコフオートメーション代表取締役社長の川野俊充氏による特別講演で幕を開けた。

世界で初めてパソコンをベースにした産業用の機械制御システムを製品化したことで知られるベッコフオートメーションは、ドイツのメーカーで、過去15年間年率平均16%の成長を遂げている。その日本法人の社長である川野氏によれば、インダストリー4.0は、2013年4月、ドイツの産官学の有識者が政府に提言したことに始まる。その後、ドイツの国策として推進され、今ではドイツの大手企業の大半を巻き込んで展開されているという。通信規格やデータのフォーマットなどスマート工場の「協調領域」を標準化して新しい市場を創出していくこと、カスタム製品を量産品の価格・納期で提供できるモノづくりやバリューチェーンを実現することなどを目的とし、ドイツの国全体の力の底上げを目指している。川野氏は同社の顧客であるキッチンメーカーをケーススタディに取り組みの実例を紹介。同じような取り組みが米国など各国で始まっているという。そして「日本でも新しいビジネスをみんなで考えていくステージに入った」と指摘した。

また、「インダストリー4.0にはエボリューションとレボリューションの両方の側面があり、競争領域はエボリューションさせていく一方、IoTなどの新しい技術を使って市場を形成させていくところではレボリューションを求めていくのがよい」として、「これからは無限の在庫があるクラウドから事業リソースをソーシングできる世の中になっていく。そういうことに備えておくことが重要だ」と語った。

問題提起
「バリューチェーンの変革に備えよ
~変化の中で飛躍するための経営基盤とは~」

ネットスイート
バイスプレジデント&
ゼネラルマネージャー
中西智行

クラウドERPシステムをグローバルに提供しているネットスイートの中西智行氏は、インダストリー4.0が日本で広がっていく時にどのようなインパクトがあるのかを、経営情報システムの観点から語った。「インダストリー4.0の時代には、工場の機械から家庭の家電品まですべてがシームレスにリアルタイムでつながる。バリューチェーン全体の効率化と、市場全体のリアルタイム化を推進するのがポイントであり、したがって製造業に限らず流通卸売業や小売業にもインパクトがある。そうした状況に備えるためには、ERPを中心にした業務システムの基盤を整備しておくことが重要だ」と指摘した。

そしてネットスイートは「顧客志向のERPであり、クラウドERPとしてスピードと柔軟性という特徴を持ち、つねに進化していくパブリッククラウドとして新しい機能も容易に追加していける」として、実際の画面を映し出しながらデモを行った。そのうえで「ネットスイートのERPは全世界で2万4000社以上が利用しており、次々と上場を果たしている米国の成長企業の間ではデファクトスタンダード(事実上の標準)になりつつある。国内でも顧客層は、変化をチャンスと捉えてゲームチェンジを進める中小のスタートアップ企業から、海外でのビジネス展開を積極的に進めるグローバル企業に至るまで、幅広い」と述べた。

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