米国で金融業はもう「稼げる」商売ではない

ウォール街冬のボーナスに見る苛酷な現実

低迷から脱しつつあるが、完全復活はまだ遠い

リーマンショック後の低迷から脱しつつあるとはいえ、米金融業界もそこで働く人々のボーナスも、完全復活はまだ遠いようだ。

報酬に関するコンサルティングを手がけるジョンソン・アソシエイツ社が11月9日に発表した年次報告書によれば、米金融業界における今年のボーナスは前年比5〜10%減少する見込みだ。業界全体としてボーナスの減少が見込まれるのは2011年以降、初めてのことだ。

今後3〜5年は伸びは期待できず

プライベート・エクイティ投資やM&A(企業の合併・買収)関連事業といった好調な事業分野も少ないながら存在する一方で、業界において大きな比重を占める分野の苦闘は続いている。投資銀行や商業銀行の年末ボーナスは減少を続けており、今年は2009年の水準と比べて30%も低くなっているという。比較的好調な資産管理事業でさえ、今年のボーナスは5%減が見込まれている。

ジョンソン・アソシエイツの創業者アラン・ジョンソンによれば、業界内では年末ボーナスの値上がりを予想していた人も多かったという。だがそんな淡い期待も消えつつある。

「来年こそはとみんな思ってきたが、実現しなかった。今後3〜5年は無理だと思う」とジョンソンは言う。「需要の拡大によってこの状況を抜け出すといったことは期待できない」

金融業界は世界的に見ても、最も高いボーナスが支払われている業界の1つだ。ニューヨーク州会計検査院によれば、昨年の証券業界のボーナスの平均額は17万2860ドルだった。

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