東電を刑事告訴、原発事故の責任を問うには裁判しかない--弁護士・河合弘之

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東電の経営陣は、会社が有名な法律事務所を雇って守ってくれると思っている。実際に答弁するのは補助参加人の東電で、経営陣は並んでいるだけだ。しかも、東電には公的資金が注入されるので、軽く億は超えると思われる弁護士費用も税金から支払われることになる。

──刑事告訴では、業務上過失致死傷と公害犯罪処罰法違反容疑で訴えました。被曝が傷害に当たるのかが論点の1つになるとみられています。

罪と認めたくない側の論理としては、被曝で体のどこかが明らかに悪くなったわけではないので傷害には当たらない、となる。が、被曝によって、うつになった人もいるし、それを苦に自殺した人もいる。放射能から逃げ惑う中で、50人近くの高齢者も亡くなっている。だから、僕は被曝しただけで傷害ととらえるべきだと思う。

一方、公害罪は死傷がなくても、人の安全に危険を及ぼしたということであれば成立する。ただし、「事業に伴い」という要件を満たす必要がある。これは水俣病のような公害垂れ流し罪に当たる。チェルノブイリのような爆発事故は、この要件は満たさないが、今回は予定していたベントに伴って放射性物質が飛散したので、「事業に伴って」と考えられる。

なるべく引っかかりやすいように網を2つ用意したので、どちらかに引っかかってくれればいい。

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