中国企業が米国で歓迎されない理由とは

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米国は、国内市場を守るために、外国製品がダンピングや補助金による生産に当たらないか、あるいは特許や商標、著作権を侵害していないかを調査するため、国際貿易委員会を設けている。

統計によると、国際貿易委員会が2011年に行った「337調査」(米関税法337条に基づく調査)は69件、うち中国企業関連は26件と全体の3分の1以上を占めた。対象となったのは電子情報製品、軽工業製品などで、いずれも特許侵害だった。また中国商務部の統計によると、12年4月現在、米国は中国に対してセーフガード(高関税や数量制限)を合計114件発動している。

(3)不公正貿易

12年2月、米国は省庁間通商執行センターを置いた。不公正な貿易慣行のある国を調査する機関だ。オバマ大統領は演説の中で、「中国を含む不公正な貿易慣行に対抗する」と述べ、中国を名指ししていた。

米国がとりわけ念頭に置いているのは中国の国有企業だ。米国は投資主体が国有企業かどうかに着目している。最近、米国を視察した国営企業関係者は、米国側の関心がつねに「中国の国有企業はいつ改革するか」にあったと語る。

今や米国の関心は、中国企業による貿易それ自体から、その企業のガバナンスや経営実態に移っている。中国企業が政府から特別な補助金を受け取っていないか。もしそうならば、企業側に改革を迫るか、不公正貿易を理由に米国進出を拒絶する。今後、米国進出が困難になるのは国有企業だろう。

歓迎される四つのケース

一方、米国から歓迎される企業進出もある。それは四つに分けられる。

 

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