【産業天気図・建設機械】欧州や中東向けなど好調持続で今期は「快晴」。大幅な円高なければ各社再増額余地も

建設機械業界は、2007年度後半も前半に続き絶好調で「快晴」を維持する。続く08年度前半はサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題が顕在化する前から不振の徴候があった米国市場が想定通り落ち込むものの、欧州、中東に加え中国やロシアなどBRICsを中心とした市場は依然として好調。世界的な資源高も継続しており、高単価の鉱山機械の需要もなお旺盛だ。為替動向がやや懸念材料だが、控えめに見ても「晴れ」は続きそう。
 建機メーカーの団体である日本建設機械工業会は、8月下旬に今年度の建設機械出荷金額(国内生産分、補給部品除く)予想を2兆3504億円、前年度比12.8%増に上方修正した。2月時点では8.2%増の2兆2548億円とみていた。同工業会では、08年度についても2兆5373億円と前年度比8%を予想。同工業会の予想は常に保守的であり、これは現状では実質的に「来期も2ケタ成長以上」というメッセージとも受け取れる。
 建機メーカー各社も第1四半期決算発表後から早々と業績予想を上方修正。国内首位で世界2位のコマツ<6301>は、当初の通期営業利益予想を2870億円から3110億円に上方修正。同2位で世界3位グループの日立建機<6305>も、同じく900億円から960億円に増額している。この勢いなら、再度の増額修正もありえる。
 建機各社の成長の舞台はすでに海外である。例えばコマツの海外売上高比率は前期ベースで74%。世界の建機需要の約30%を占める米国市場がサブプライムローン問題の実体経済への波及の懸念により、期初に想定した前年比約15%減よりも落ち込み幅が拡大しそうだが、他の地域の旺盛な需要で埋め、高成長を維持する。
 各社にとって、当面のリスクは円高リスクだ。今期は1ドル=115円、1ユーロ=150~155円を想定している企業が多い。この想定以上に円高に大きく振れることがあれば、一時的に利益が予想を下回る可能性もないとはいえない。ただ、中国も含め需要の伸びが多少落ちることがあっても、新興国のインフラ需要は旺盛だ。長い目で見れば、もし調整があっても一時的なものにとどまる、という見方は変わらないだろう。
【福井 純記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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