トヨタ豊田章男社長に学ぶトップのコミュ術 部下への接し方「黄金の3原則」とは?

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「共感系」リーダー、米国のオバマ大統領やフェイスブックのマーク・ザッカーバーグの発信するメッセージは「人間臭い」ものも多い。

最近、ティーンエージャーの娘を持つオバマ大統領は雑誌のインタビューでこうこぼしている。「別にボクが嫌われているっていうんじゃないんだ。ただ、彼女たちのスケジュール帳はどんどん埋まっていく。友達といる方が楽しいってね」「6歳、7歳のころはよかったなあ。一緒にいるだけで最高だった」「もう、ボクとの時間はないんだよね」。

お父さんの悲哀が伝わってくる。そして、こうも言う。「だけど、子供たちがどんどん自分より賢く、クールになっていくのを見るのに勝る喜びはないよね」。

世のお父さん、どうですか。「ああ、わかる、わかる」と感じるのではないだろうか。こう思わせる言葉がソーシャル時代に求められる「共通言語」だ。

豊田章男流「部下に対するコミュ術」3原則

それでは、今回は豊田章男流、部下に対する上司のコミュニケーションのコツを「黄金の3原則」としてまとめたい。

① 地位、肩書を笠に着るな

上司だから、と威張ってはいけない。権威をかざすような上から目線では、部下の心を開けない。「部下に支えられている」という感謝の気持ちを見せてみよう。

② 鎧を脱いで、素で語ろう

自分をいつも強く見せようと虚勢を張らなくてもいい。泥臭さ、素の自分を見せるときがあってもいい。

③ 共通言語を持とう

相手のわかる言葉、相手の胸襟を開く言葉を見つけよう。謙虚に相手の言葉に耳を傾け、同じ目線で話してみよう。

ところで、なんで「モリゾウ」なのか。地元・愛知で行われた「愛・地球博」の公式キャラクター「モリゾー」に由来する、と伝えられるが、本人の名前とも風貌とも結びつかない。この「モリゾー」、森のことならなんでも知っていて、不思議な力を持っている心やさしい森の精で、そよ風をおこしたり、疲れている人の心に木漏れ日を届けたりするのだそうだ。

浮世離れしているようで、泥臭い。冷静のようで、情に弱く、男泣きもする。そんな”不思議ちゃん”の次の冒険は何なのだろうか。ますます、目が離せない。

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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