カネカが発泡ポリオレフィンの中国・第2工場建設へ

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カネカが発泡ポリオレフィンの中国・第2工場建設へ

樹脂や化成品、合成繊維、食品、電子部材などを多角展開する化学メーカー、カネカは6月19日、自動車部品や電子部品向け包装資材などに使われる発泡ポリオレフィンビーズと呼ばれる素材を、中国で増産すると発表した。約10億円を投じて華南地区に新工場を建設。2013年5月に稼働する。中国国内における生産能力を現行から5割高める。今後、見込まれる自動車やIT関連機器の需要拡大を刈り取る狙いだ。

カネカは、全額出資で広東省佛山市に新会社「鐘化(佛山)化工有限公司」を設立。新会社を通じて7月から発泡ポリオレフィンビーズの新工場の建設を始める。当初は年産3000トンで13年5月に稼働を開始する予定だ。

カネカは中国ではすでに蘇州で発泡ポリオレフィンビーズを生産。今回の第2工場と併せた年産能力は9000トンと現状から5割増える見通しで、中長期的には同1万5000トンへの増産も視野に入れているという。

ポリオレフィンとは石油科学系の合成樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレンの総称で、発泡ポリオレフィンビーズを使って発泡した成形品は自動車の内装や電子機器の包装資材などに使われる。

中国の華南地区はトヨタ自動車やホンダ、日産自動車といった日系のほか、フォルクスワーゲン(VW)、プジョーシトロエングループなどの欧州系の自動車大手が進出しており、生産・販売台数の拡大が進んでいる。タブレット端末などのIT関連分野でも工場が集積しており、カネカは華南地区でこれらに使われる発泡ポリオレフィンビーズの生産拠点を確保することで、自動車やIT関連機器の需要拡大を刈り取る考えだ。

カネカは日本、中国のほかマレーシア、ベルギーの世界4極で発泡ポリオレフィンビーズを生産している。

(武政 秀明 =東洋経済オンライン)

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