体育会系USENでママ社員が活躍し始めた 新社長「ワークスタイル」変革の本気度

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一方、ママであってもフルタイムで活躍することに自分らしいチャレンジを見出す社員もいる。広報の清水さやか氏(36)は2年前、広報のスペシャリストとして転職してきた。転職当時、子どもは1歳でもっとも手がかかる時期だった。

「面接では子どもがいても大丈夫か?といったたぐいの質問が一切なかったんです。私はママですが、ママ社員として働きたかったのではなく、広報のスペシャリストとして仕事がしたかった。仕事に対する姿勢を平等に見てくれたということがとても嬉しかった」

広報の仕事は常に相手があり、絶対に休めない日もある。接待を含めたクライアント対応に追われるため、子どもを持つママにはハードルが高い仕事だ。だからこそ逆に「子どもがいるから無理だよね」と言われたくないと仕事に取り組んだ。帰宅後に仕事をすることもある。

広報活動を社内で表彰された清水さやか氏

「USENは以前は元気だったのに・・・というイメージがあります。だからこそ、広報の力で『また元気になったね』『最近よく見かけるよね』と言われるよう認知度を上げていきたい」と、多くのメディアに働きかけをしてきた。結果、メディアでの掲載数が前年比の3.8倍に伸び、これまで記事にされてこなかった音楽サービス以外のヒトサラ事業などについても、コンスタントに露出されるようになった。こうした成果が評価され、今年の社内表彰において、全社部門(本社部門)での優秀賞を受賞した。

若手女性社員の離脱をどう防ぐ

熊本氏や清水氏のように、自分らしいチャレンジができるママ社員が増えつつある一方で、USENではママになる前に離脱してしまう若手の女性社員への対応が課題となっている。現在採用している新入社員150名のうち、半分は女性だ。しかし男性に比べて入社数年の早いうちに、妊娠・出産のライフイベントを待たずしての離脱が多いという現状がある。

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