【キーマンズ・インタビュー】驚異の定着率を誇るアサヒビール--林雅子・人事部キャリア開発・ダイバーシティ推進担当部長に聞く

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--アサヒビールにはブラザー/シスター制度というユニークな制度かあると聞きました。導入した時期と内容について教えてください。

ブラザー/シスター制度を導入した時期は、はっきりしない。わたしが入社した1991年の頃にはすでにあった。もしかすると相当な歴史を持ち、アサヒビールの社風に影響してきた制度かもしれない。

内容は名称の通りだ。新入社員一人ひとりに1名のブラザーやシスターがついて、日常業務、社会人としてのマナー、プライベートなメンタルケアと、ありとあらゆる面倒をみる。今年の新入社員53名なので、ブラザー/シスターも53名いる。

ブラザー/シスター制度の歴史は長いが、運用は少しずつ変わってきており、現在は公募を行い、手を上げてもらっている。手上げした社員には研修してブラザー/シスターになってもらっている。

期間は半年だ。アサヒビールの新入社員は、入社後2週間の集合研修後に、技術系は営業に、文系は工場に行き、4月末に仮配属になる。そして仮配属先でOJTを受け、9月に本配属になる。その間の半年間にブラザー/シスターが新入社員の面倒をみる。

9月に制度としてのブラザー/シスターは終了するが、一度できたお兄さん、お姉さんの関係がなくなるわけではなく、絆はずっと続いていく。

--定年後のOB社員をキャリアアドバイザーとして活用されていると聞きました。

今年度にキャリアアドバイザーとして活躍するOB社員は2名だ。入社2年目と3年目の社員全員に対して1人1時間の面談を行う。昨年、一昨年の採用数は今年よりも多く、現在の2年目社員と3年目社員は100名ずつくらいで、対象者数は200名になる。面談を行う期間は6月から12月にかけてで、上司とも面談する。

そして面談結果を1人1枚のレポートにまとめて報告してもらっている。若手社員にとっては話すことで自分自身を整理することができるので評判がいい。上司も「ためになった」と言っており好評だ。

 

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