君はスカーレット・ヨハンソンの映画を見たか 美人女優が出演するSF4作品の魅力

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
拡大
縮小
『LUCY/ルーシー』
『LUCY/ルーシー』(2014/フランス/89分)

『ニキータ』(1990年)=アンヌ・パリロー、『レオン』(1994年)=ナタリー・ポートマン、『フィフス・エレメント』(1997年)=ミラ・ジョヴォヴィッチと、つねに斬新なヒロイン像を確立してきたベッソンが新作でフィーチャーしたニュー・ヒロインは、いま世界最注目の女優のひとり、スカーレット・ヨハンソン。本作においても覚醒したスーパー・ウーマン役で、見事にはじけ飛んでいる。

ある日、ひょんなことから台北のホテルで、マフィアの闇取引に巻き込まれてしまった平凡な女性ルーシー(スカーレット・ヨハンソン)。脅されたあげく体内に新種の麻薬を埋め込まれ、運び屋に仕立て上げられる。ところが腹部を蹴られたはずみで麻薬が体内に流出してしまう。このアクシデントで、通常は10%しか機能していないはずの彼女の脳が急速に100%に向かって覚醒し始め、強大なる未知のパワーを得てしまうのだが……。

薬物での覚醒~スーパー・パワー獲得となれば、即、大友克洋のコミック『AKIRA』が思い浮かぶ。しかし類似性はさほどなく、むしろ部分的には『2001年宇宙の旅』(1968年)のスターゲイト・シーンを想起させる。また、大物俳優モーガン・フリーマンがキャスティングされるも、映画の大半はヨハンソン=ルーシーの独壇場。まさしく、これは“ルーシー・ショー”(年配者しかわからない?)だ。

ラストがちょっとアッケないが、電脳SFエンターテイメントとして、うるさいこと(科学的な整合性?)言いっこなしで鑑賞すれば、比較的上映時間も短いので、充分満足が得られるはず。ネタを詰め込みすぎて、散漫になるよりましだろう。超人ルーシーの続編があるとするなら、『スピーシーズ』に似てきそうな予感?(すでに似てるか!?)

(文:たかみひろし/音楽・映像プロデューサー)

モノ・マガジン編集部

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

『モノ・マガジン』はワールドフォトプレス社が発行するモノ情報誌。原則、隔週で発行している。公式サイトhttp://www.monomagazine.com/

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT