新増設大学

社会のニーズに合わせた
新設学部・研究科が続々と誕生

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教育内容と自分の適性とのミスマッチに注意

キャリア教育の浸透によって、特定の学部・学科に志望先を絞り込む受験生が多いのも最近の特徴です。昔のように、一つの大学の複数学部を受験する学生は少数派になっています。そのことは望ましいことと思いますが、大学での実際の教育内容と学生の希望の間に齟齬をきたすミスマッチの問題も増えています。まず、志望する学部・学科の教育内容が自分の希望と合っているのか、オープンキャンパスや大学フェアなどに参加して、調べることが大切です。

また、就職に有利だからと看護学科に進学したものの「血が恐い」という学生、教育学部に進学したものの「子どもが苦手で、接するのが耐えられない」と気付く学生も増えています。自分の適性をしっかり見つめることも重要です。センター試験の過年度卒業生(浪人生)の数は、その前年度に大学を志望しながら入学できなかった受験生数より10万人ほど多く、その大半は、大学に在籍しながら別の大学を目指す〝隠れ浪人〟と見られています。大学全入時代の今、ミスマッチは最大の問題になっています。

大学6年制化と社会人受け入れへ大学院拡充

医学部や薬学部などは6年制ですが、工学など他の理工系も大学院修士課程への進学がスタンダードになっています。大企業も、理系の大学院修了者を優遇しているので、今後も理工系高等教育の6年制化は進むと見ています。

一方、文系でも、法曹界志望者は法科大学院進学が必要とされています。また、教育学部も6年制化すべきという議論があります。文系大学院は、その修了者を社会や企業が評価して、受け入れるのか、という課題が残っています。上位の有名大学院を除くと、文系大学院は定員を充足していないところも多いのが現状です。しかし、高等教育の高度化などを背景に、文系でも、米国で人気の高いビジネススクール・経営大学院のような大学院を志向する動きは強まるでしょう。

18歳人口減少の時代に、大学が学生数を維持、増加させるには、高等教育の6年制化と、社会人学生の受け入れのための大学院拡充がカギになります。働きながら大学に通う学生が減って大学夜間部(二部)が廃止される代わりに、社会人が働きながら通える夜間開講の大学院が増えています。社会に出た後に学び直したいと真剣に考えている社会人に対して、ビジネスに役立てられる学びを提供するビジネススクールをはじめとする社会人大学院は、一定のニーズを集めています。

郊外や地方の立地では、社会人を集めるのは困難ですが、都心部にキャンパスやサテライトキャンパスを持つ大学は、社会人の取り込みに今後も注力していくことになるでしょう。移りゆく時代の中で、大学・大学院は常に学部学科、研究科を見直しています。受験生、社会人の皆さんの希望に合った学びが見つけやすくなっているはずですので、情報をしっかり集めてください。

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