【産業天気図・建設機械】資源採掘需要と震災復興需要が旺盛、中国減速が解消すれば「曇り」から「晴れ」に上向く

予想天気
12年4月~12年9月 12年10月~13年3月

建設機械業界の景況感は、2012年4月~9月までの前半が「曇り」、続く同10月~13年3月までの後半は「晴れ」に改善する見通しだ。

最大市場の中国の景気減速が長引き、昨年5月から今に至るまで、需要の前年割れが止まらない。その一方、中国以外の市場環境は好調だ。国内は震災復興需要、新興国はインフラ関連、そして資源国は資源採掘需要で盛り上がっている。もし後半中国市場が調整期を脱すれば、業界の業績拡大に拍車がかかる可能性もある。

日本建設機械工業会によると、4月の建機出荷金額は1811億円(前年同月比24.1%増)、28カ月連続の増加となった。このうち外需(輸出)は1392億円(同25.0%増)で、総計同様に28カ月連続の増加。国内向けも419億円(同21.3%増)と13カ月連続で増えた。業界全体では成長基調が続いている。

国内最大手、コマツの今13年3月期業績計画は、売上高2兆1000億円(6.0%増)、営業利益3150億円(22.9%増)。売上高営業利益率は過去最高の15.0%となる見通しだ。業界2位の日立建機も、売上高8800億円(7.7%増)、営業利益780億円(42.2%増)と一段の伸びを見込む。

成長を牽引するのは、インドネシアやオセアニア、中南米などの資源国で絶好調な鉱山機械だ。鉱山機械市場はキャタピラー、コマツ、日立建機の寡占に近い状態で、一般建機よりも収益性が高い。コマツ、日立建機とも12年分の商談はほぼ完了しており、今期分の販売台数は見えている。販売済みの機械が増えるにしたがい、好採算の保守・サービス需要も年々増加。鉱山機械というドル箱商売が、大手の業績の頼もしい下支え要因となる。

中国の低迷が両社の唯一の重しだ。11年3月期には、コマツにとって中国は全体の21%を売り上げる最大の仕向け地だった。ところが、景気減速で前期は中国向けが4割減少し、比率は12%まで縮小。今期の中国向け売り上げも横ばい程度を見込み、比率は11%にまで下がる見通しだ。今期後半に市場が持ち直すとしても、急回復は期待できないだろう。

しかし、中国以外はいたって好調。国内では、震災復興関連でレンタル会社向けを中心に引き合いの強い状況が続いている。油圧ショベルに強い大手だけでなく、建設用クレーン大手のタダノ、道路機械専業の酒井重工業など中堅メーカーも、復興工事が本格化してくる今期は業績が押し上げられそうだ。

(長谷川 愛 =東洋経済オンライン)

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