渋谷は25歳「ほろ苦エリート」が選ぶ街だった 高校時代から感じ続けた敗北感

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外苑前にある商社に勤める拓哉の、人生ゲームのようなお話です
「女なんて、どうせ金を持っている男が好きなんだろう。そう、思っていました。」
外苑前にある商社に勤める拓哉(25歳)は、千葉県浦安市で生まれ育ち慶應義塾大学経済学部を卒業。現在3年目のまだまだ青い下っ端の使い走り。これからお話するのは、就職を機に千葉から出て東京でひとり暮らしを始めた拓哉の、カネと仕事と女に奮闘しながら年齢を重ね上り詰めていく、人生ゲームのようなお話です。

女子大学生の栄華と、男性大学生の悲哀

「東京カレンダー」(運営:東京カレンダー株式会社)の提供記事です

僕が、大学2年生のときの冬休み。

就職活動には少し早い、けれど、将来への漠然とした不安が蔓延して、皆、藁にも縋るように何かしら始めることで心を落ち着かせようとしていた頃。

TACに通う人、国家公務員試験の勉強をする人、外資系に絞って勉強会に勤しむ人などさまざまでした。同じ学部に入りながらも卒業時の進路はバラバラで、将来の格差を何となく皆が意識しはじめるものの、僕は、そわそわしながらも、何も手を出せずにいました。

そんな、未来がまだ霧の中にあった大学2年生のとき、僕はO女子大の21歳の美香って女と付き合っていました。頭の回転は、同じ慶應の女たちと比べると物足りなかったけど、当時は可愛ければなんでもよかったんですよね(笑)白いふわふわのオフショルダーから覗く華奢な肩に、ニーハイブーツの絶対領域……男が萌えるポイントを押さえていた子でした。

ちなみに、「女子大の女は、早慶の男が好き」という、若干舐めた空気が僕たちの間にはありました。女子大との合コンは腐るほどあったし、正直、彼女も僕と付き合っていることが少なからずステータスだろうという自負があったんですよね。今思えば、「女子大生」のブランド力も知らずに……。

次ページ恐るべし、「女子大生」のブランド力
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