老舗の下町工場、町を離れたら元気になった 田舎に移転すれば、社員もハッピーに

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地元の食材を利用した、おいしい食事も魅力

執務スペースも広々としています。新社屋の敷地はおよそ5000坪。施設全体はフィンランド製の空調システムが、快適な職場空間を作り出しています。オフィス1人あたりの面積は、約畳5枚分。事務所スタッフの皆さん、海を見ながらパソコンを操っていました。

工場内には観葉植物がたくさん置かれ、緑の現場でモノづくりに取り組んでいます。 

なぜ淡路島に移したのか

この会社、88年前から大阪市福島区で高速攪拌機を製造販売しています。社名を、プライミクスPRIMIXといいます。この度、50キロ離れた淡路島に本社を移転することにしました。

それにしても、大阪の老舗メーカーが、なぜわざわざ淡路島に? 

大企業で、地方に進出する会社はあります。あるいは、業績が悪化して本社ビルを売却、事務所移転なんてことも時々あります。

でも、当社の高速攪拌機は、国内トップシェア・クラスの高い評価を得ています。福々しい社長さんのお顔を見ても、業績の心配はなさそうです。

その古市尚社長さん、ボクの疑問にニコニコしながら答えてくれました。

社屋外にあるボルダリング施設

「ライフスタイルが変化し、これからは楽しく仕事をしなければなりません。100年先を見据えた本社工場を造りました。コンセプトは、遊び心のある職場です」

ちょうど工場の建て替え、機械の更新時期にあたっていました。それならいっそ、仕事を楽しくできる環境を求めようと、淡路島が開発する「夢舞台サスティナブル・パーク」への移転を決意しました。

社屋の外には、ボルダリング施設、バスケットボール、テニス・コートまでそろい、仕事の後はスポーツで汗を流すこともできます。社員の中には、早朝に釣りをしたり、休日にサイクリングを楽しんだりする人もいて、淡路のリゾート型本社工場を満喫しています。

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