自動車が成長産業であることを改めて強調したい--豊田章男・日本自動車工業会会長

日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は4日、報道陣とのグループインタビューに応じ「現在の円高は製造業にとって危機的な状況」としつつも、「米国市場は安定しており、中国を始めとした新興国でも伸びが期待できる」として、今後の世界販売の動向には楽観的な見方を示した。

豊田会長は1ドル=78円台に達した円高について、「昨年来続く超円高に対して、自動車各社は大変な企業努力をしている。政府にはがんばる企業や個人が報われる社会の構築にリーダーシップを発揮してもらいたい」と語った。

一方で世界の自動車販売は今後も強いモメンタムが続く見通しを語った。欧州については、「債務危機が市場に与える影響は間違いなくある。今後も動向を注視していきたい」と指摘しつつも、「米国市場は現在も年換算1400万台規模で推移している。いいサイクルにあると評価できるのではないか。雇用統計などネガティブな要素もあるが、自動車販売については(リーマンショック後の)一時期に比べ安定している」と述べた。
 
 中国を始めとした新興国市場については「先進国がストック(保有車の代替え)市場にあるのに対し、新興国は新規需要を中心としたフローの市場。一時的な台数がどうというより、中長期には間違いなく伸びていく。特に今後は中間所得層のユーザーが中心になっていくことが予想され、日本メーカーの果たすべき役割は大きい」とした。

また豊田会長は「自動車が成長産業であることを改めて強調したい」と語った。「世界市場はこの20年で3000万台も増加しており、2001年以降は年平均4%で成長している。私が(トヨタ自動車に)入社したころから、自動車は成熟産業と言われていたが、着実に成長している。いまも新興国を中心に自動車を必要とする人たちはたくさんいる」(同)。

豊田会長は、自動車産業の雇用吸収力の高さなどを指摘した上で、「自動車の普及は安定的な中間(所得者)層の拡大にも寄与している。自動車産業を日本経済のど真ん中に据えることが、この国を笑顔にする。日本にとって自動車産業は必要だ」と、“基幹産業”のトップとしての気概を改めて示した。
(並木厚憲 =東洋経済オンライン)

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