アコーディア新社長に直撃!委任状争奪戦の勝算 PGMとの統合、太平洋クラブの支援は

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たとえば今、アコーディアにはたいへんすばらしいコースがある。その中にはアコーディアブランドを付けていないコースもあるが、アコーディアブランドを付けているコースもある。非常にコースの質がよく、お客様も入っており、評価の高いコースもあるが、残念ながら、アコーディアのゴルフ場ということでひとくくりにされている。そういう中でハイエンドのコースについては今後、1つのブランド化をしていくという計画がある。

ゴルフ場の客単価は非常に厳しい状況にあるものの、それなりのサービスを提供することで単価アップが図れるようなハイエンドのコースについては、アコーディアのプレミアムブランドを作っていきたい。その延長線上に太平洋クラブのブランドがある。太平洋のコースはたいへんハイクオリティで、すばらしいサービスも行われている。アコーディアは太平洋クラブのスポンサーに就任したが、太平洋の今のブランドイメージは崩さずに、アコーディアとは別のブランドとして、太平洋ブランドを育てていこうと考えている。太平洋クラブの会員の方々には、従前とまったく変わらない、太平洋ブランドの中でプレーを楽しんでいただきたいと申し上げている。

それに加えて、アコーディアの中にも太平洋ブランドに匹敵するようなコースがたくさんある。将来的には、会員の方がいらっしゃらない高級コースや、地方でも会員の方の稼働が少ないようなハイエンドなところは、太平洋ブランドに組み入れ、さらに価値を高めていく。そして、太平洋クラブ(の保有ゴルフ場)は今は17コースだが、そこにアコーディアから13コースぐらい組み入れて全30コースの共通会員制にすることができれば、太平洋クラブの会員のメリットも高まるし、われわれの将来のビジネスにもつながってくる。そういう意味での太平洋クラブの位置づけはある。

--厳密なところ、営業利益などの面で太平洋クラブの支援は採算に合うのか。

太平洋クラブの現状は、売り上げ120億円に対して、営業利益ベースで10億円程度。これが、たとえば今の構想の中で、17コースから将来的に30コースへ増やせば、新しいビジネスモデルの中での会員権募集もできると考えている。将来的には、EBITDA(利払い前、償却前の税引き前利益)で年間30億円ぐらいはいけるのではないか。

--EBITDAが30億円として、アコーディアの太平洋クラブに対する入札金額は、巷間では200億円台後半とも言われている。それはアコーディアの物差しでいうと、不採算投資ではないと。

将来のアコーディアのあるべき姿を考えると、そうだ。太平洋ブランドは別ブランドとして育てていくが、やはり相対的にアコーディアの企業価値を高めていくと思う。

--株主委員会の指摘する3点目は、新社長就任会見の場で、鎌田さんが敵対的買収防衛策のために「第三者割当増資」に言及したと伝えられた点だが……。

それは、まったくそんなことは考えていない。言葉尻をとらえて、あのように報じられてしまった。少なくとも買収防衛策のために第三者割当増資をするなんてことはない。私も一般論として話したことが、そういう形で報道されてしまい、心外だ。買収防衛のために第三者割当増資ということはない。それだけははっきり明言させていただく。

 

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