【産業天気図・精密機器】07年度後半、08年度前半とも晴れ続く。ただ、事業ごとではまだら模様も

精密機器業界は好調で、07年度後半、08年度前半ともおおむね今の勢いが続きそうだ。ただし、電子デバイスなどの分野では価格競争にさらされ、苦戦を強いられる企業も出てきている。
 デジタルカメラは、当面今の絶好調ぶりが続くだろう。特にデジタル一眼レフは昨06年度にニコン<7731>の「D40」など、比較的価格の安いエントリーモデル中心に一大ブームを巻き起こしたが、07年度は団塊世代を中心にエントリーユーザーの関心が中級機種にまで広がりつつある。この流れを受け、キヤノン<7751>、ニコンともに秋に中級機種を発売する予定で(キヤノンは8月末、ニコンは11月発売予定)、両社の収益への貢献が期待される。またコンパクトデジカメでは、開発時のプラットフォームの共通化でコスト削減が進み、収益性を劇的に改善させているオリンパス<7733>に注目が集まる。
 事務機器はデジタルカメラのような大きな伸びはないものの、トナーなど消耗品の消費量が多いカラー複写機の伸びが続き、キヤノン、リコー<7752>、富士フイルムHD<4901>などにとっての安定的な収益寄与が見込まれる。いまひとつ元気がないのはインクジェットプリンターだ。特に機械本体が原価割れしているセイコーエプソン<6724>は、ハードを出荷すればするほど採算が悪化するが、逆にハードを売らないと将来の消耗品の消費量が減るというジレンマに苦しんでいる。この状況はしばらく続きそうだ。競合のキヤノンは、07年度後半もインクカートリッジが前年同期比20%増のペースで伸びると見られ、厳しい市況のなかで健闘している。
 全般には好調な精密業界のなかで雲行きが怪しいのは部品、デバイス関連だ。デジカメ用CMOSモジュールから撤退したシチズンHD<7762>は、バックライト事業も今08年3月期の赤字解消がやっと。儲かっているLEDランプも携帯端末用途で競争が激化し、利益は右肩下がりの状況だ。そのほか、セイコーエプソンも携帯端末用の液晶パネル事業が不振。富士フイルムHD、コニカミノルタ<4902>の液晶TV用光学フィルムなどが好調な一方で、中国、韓国、台湾などのアジアメーカーと差別化できない部品、デバイスを扱う企業は今後も苦戦が続くと見られる。
【桑原 幸作記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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